院長のつぶやき 節税法は後出しじゃんけんに負ける 2016年1月24日
タワーマンションを使った節税方法が使えなくなるらしい。
眺望の良い高層階のほうが世間では高値で取引されているのに、
税務上は高層階も低層階も固定資産税評価額が同じなことに目をつけた節税。
一時、タワーマンションを買いませんかと売り込みがすごかった。
この手の節税方法は、世間に知れ渡って流行し出すと税務署がルールを変更する。
買っても節税効果が得られるのは何年も先な訳で、ルールが変われば節税は失敗。
まさに捕らぬ狸の皮算用というやつだ。
以前は逓増定期保険による節税をしつこく勧められた。
損金として処理でき、含み益が貯まるとかいう話だった。
これも節税効果が得られるのはずいぶん先の話だった。
預金なら好きなときに自由にお金が使えるが、保険は長期間使い道を制限される。
それでは困るのでお断りした。
案の定、その後国税庁が通達を出し、節税上の有利さはほとんど消えた。
こういった節税手段は、ほとんどの場合、次のような条件がつく。
「税務署が今までの取扱いをいつまでも変更しなければ」
実際には、税務署は税金を取りはぐれるのは困るので、次々に逃げ道を塞ぐ。
つまり、後になってルールが変わり、結局節税できないという事態に陥る。
私も税金は安い方がうれしいが、節税法の大半は信用していない。
国税庁は後出しじゃんけんができるのだから、勝てるはずがない。
うまい話には注意せよ。
真面目に働き、真面目に税金を納めるのが一番だと思っている。
(2016. 1.24)