川本眼科

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院長のつぶやき

院長のつぶやき ネットの情報を信じるな 2016年12月5日

インターネットには膨大な情報があふれている。
その中にはもちろん有用な情報も含まれている。
その一方で、きわめていい加減な情報も多い。
さらに、意図して流された悪意のある偽情報も最近急増している。
分野によっては8割、9割が信用できない情報のこともある。

医療情報は関心が高いせいか、非常に多い。
多くの人が、医療機関での説明に満足せず、ネットで調べる。

きちんと専門家が正確を期して記述したサイトはある。
しかし、正確を期すほど、専門的になりすぎてわかりづらくなる。
「病状によって違うから医師とよく相談して下さい」が多くなる。
端的に結論を知りたいのに、肝腎のことが書いていないと感じる。
患者さんはさらにどこかに知りたいことが書いていないかと調べ続ける。

そのうちにこんなサイトに出会う。
「必ず治る」「今までの治療法は間違っている」「本当は〇〇が原因」
「驚くべき画期的な治療を発見した」

回りくどくなく、断定的に書かれている。自信たっぷりに見える。
従来の治療法を批判しているので、一歩先を行く治療をしているように見える。

さらに、同じ情報が加工されて繰り返し流されている。
だから、検索を続けると、ほぼ同一の内容に何度も遭遇する。
何度も同じ情報に接すると、信憑性が高いと錯覚する。

一般の人が医療情報サイトの真偽を見分けるのは至難の業だ。
しかも、相手は最初からだましに来ているのだから、なおさらだ。
9割は正しいことを書いて、1割の偽情報を混ぜることもよく行われる。
専門家でないと、どこが誤りが言い当てるのは困難だ。

WELQという医療情報サイトが最近閉鎖された。
あまりにも誤りが多いと多数の指摘を受けていた。
外部のライターが記事を書いていたが、実は専門家はいなかったらしい。
普通の主婦などが、安い原稿料で、執筆を請け負っていたという。
当然、ネットの情報を無断引用し、一部無断で改変していた。
専門知識がなければ、ネット情報の取捨選択だって無理だと思う。
さすがに騒ぎになって、閉鎖に追い込まれたようだ。

規模が小さいために大騒ぎにならないだけで似たようなサイトは多いのだという。

対策は「最初から疑ってかかれ」「素直に信じるな」だ。
自信たっぷりに「必ず治る」と断定する御仁はたいてい詐欺師だ。
嘘八百が並べてあると考えていてちょうど良いくらいだ。

(2016.12.05)

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