院長のつぶやき 労働条件が良ければ良い人材が集まる 2017年3月6日
先日24時間営業をやめる動きに賛成と書いた。
深夜勤務は働く人に相当な負担を強いる。
人間には体内時計というものがある。
深夜勤務は体内時計を狂わせる。
体内時計はそう簡単にはリセットできない。
昼間の勤務と深夜の勤務が交互に来るというのは
どう考えても人間の生理に反しているのだ。
不規則な勤務は不眠を招き、心身の様々な不調につながる。
血圧や血糖にも影響する。高血圧や糖尿病の危険が高まる。
うつ病を発症する人も出てくる。
働く人の健康を犠牲にしてまで
利便性を追求するのは問題があると思う。
もちろん、現代社会では全く深夜勤務をなくすことはできない。
それは認める。
ただ、なるべく深夜労働を減らす方向に向かうことはできる。
深夜労働には健康リスクを加味した賃金が与えられるべきだ。
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今日、労働環境/労働条件は非常に重視されるようになった。
いくら給料が良くても労働条件が悪い職場は避けられる。
過労死に追い込まれたら何にもならないから。
看護師さんが足りない。
夜勤をすれば給料は高い。でも夜勤の仕事はきつい。
不規則な勤務がたたって身体を壊す人もいる。
夜勤を避けて日勤だけの診療所を選ぶ人も増えた。
給料は安くなるが、身体は格段に楽だ。
医療機関の診療時間。
名古屋では「午前中と夕方」というところが多い。
中抜きパターンなどという。
午前中は主婦や高齢者、夕方は職場帰り・学校帰りの人。
ニーズに応えた診療方式なのだが、問題がある。
そこで働く人にとっては自分の時間が取りにくくなる。
昼休みが長いが、その時間を有効利用することは難しい。
帰宅が遅くなり、既婚女性ではフルタイム勤務は無理。
結果として、パートタイムの職員が多くなる。
午前中だけ、夕方だけで働く。
合理的に見えるが、そうそう上手くはいかない。
夕方だけのパートがなかなか見つからないのだ。
四苦八苦してようやく見つける。
だが複数の候補者から選ぶわけにはいかない。
「できる人」でなくても来た人を雇うしかない。
川本眼科は午後5時終了だ。不便だという声は良く聞く。
ただ、実は5時終了のおかげで人材には恵まれた。
複数の応募者から最も優秀な人を選べる。
また大多数のスタッフをフルタイム勤務者にできた。
パートより仕事に習熟し、責任感も強い。
さらに、途中退職が少なく、ベテラン揃いにできた。
労働条件が良ければ良い人材が集まるのだ。
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深夜勤務をなくせば外食産業の労働条件は改善する。
きっと今より良い人材が集まってくるに違いない。
それでサービスが改善すれば評価も上がる。
疲弊しきっていたら、笑顔も出ないではないか。
(2017. 3.06)