川本眼科

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院長のつぶやき

院長のつぶやき裁判員制度と医師

裁判員制度が始まるらしい。欧米の陪審員制度がお手本のようだ。
だが、そもそも欧米の陪審員制度は良い制度なのかどうか?
陪審員は論理より感情に流されやすいと言われる。
弁護士が感情に訴えて有利な判決を引き出すことも多いらしい。
職業裁判官だって誤審はするだろうし、偏った判決はあるだろう。
それでも一般人よりはまだ冷静な判断ができるのではないか?

「十二人の怒れる男」という陪審員制度そのものが主題の映画がある。
ある陪審員が有罪の多数意見に反対し、議論の末無罪の評決を下す。
ほら、陪審員制度は素晴らしいでしょう?という映画だ。
しかし、もしこの陪審員がいなかったら簡単に有罪になったに違いない。
図らずも陪審員制度の危うさを露呈しているのだ。

O・J・シンプソン事件というのもあった。
黒人主体の陪審員たちが人種問題から無罪の評決を出したと言われる。
逆に民事裁判の陪審員は白人主体で彼が殺人を犯したと認定した。
刑事裁判と民事裁判で全く逆の結論だったわけだ。

どうも、裁判員制度のほうが真実に近づけるわけではなさそうだ。
始まる前から問題点ばかり目につく。

利点は、裁判に誤りがありうることを国民が認識することだと思う。
職業裁判官だって神様ではない。限られた情報で判断するわけだし。
幻想を捨て、裁判には限界があるとみんなが理解するのは良いことだ。

ところで、医師が裁判員制度に参加するのは難しそうだ。
開業医なら普通医師は一人しかいない。
そして、医師がいなければそもそも診療はできない。
看護婦や視能訓練士や事務が何人いても患者を診ることはできない。
裁判の間クリニックは休業、スタッフ全員休暇を取るしかない。
そんなことになったら患者さんも困る。非現実的だ。

病院だって、1つの科に医師は数人しかいない。一人のこともある。
普段から医師の人数は不足気味で過重労働を強いられている。
外来の人手がなく、診察2時間待ちなんてざらにある。
そんな状況で、裁判に参加するから休むなんてできるわけがない。

結局、医師はほとんど裁判員を辞退するしかないだろう。
広く国民に参加してもらうのが制度の趣旨。しかし医師は参加しない。
どこまで不参加を認めるのか、今のところ不透明だ。
ただ、暇な人だけ参加し、仕事で多忙な人は参加しないなら、
裁判員の顔ぶれはずいぶん偏ったものになりそうだ。

2008.12.17

院長のつぶやき医師のモラル?政治のモラル?

10月4日に妊婦が脳出血を起こし、受け入れ先がなかなか決まらず、
結局死亡するという事件があった。

このとき、二階俊博経済産業大臣はわざわざマスコミを集めた上で
「政治の立場で申し上げるなら、何よりも医師のモラルの問題だと
思いますよ。忙しいだの、人が足りないだのというのは言い訳にすぎない」
と発言した。失言ではなく用意のコメントである。

驚きあきれて物が言えなかった。
医師自身や一般人の発言ではない。この人は行政の長だ。
この人は少しでも医療問題を勉強しているのか?
こんな人が行政の指導的地位にいていいのか?

抗議の声を受けて、二階氏は発言を撤回した。
しかし、撤回ですむ話とは思えない。

医療費抑制政策のツケが回ってきて、次々に問題が起こっている。
特に産科・救急・地方の医療は危機に瀕している。
それは政策の失敗によるものだ。何よりも政治の責任だ。

救急や産科の人手が足りない。決して医師がサボっているわけではない。
救急医や産科医は過酷な勤務に耐え、過労死しそうなほど頑張っている。
政治家が自らの責任に頬かむりして医師に責任転嫁するのは言語道断だ。

2008.11.24

院長のつぶやき胡蝶蘭

川本眼科は2008年11月1日に開業14年になった。
スタッフがお祝いに立派な胡蝶蘭を贈ってくれた。
こうやって気にかけてくれるのは本当にうれしい。
これからも頑張っていこうね!

開業当初から働いてくれているスタッフもいる。
私も歳を取ったが、彼女らも歳を取って、今では40代が主力である。
ちょっと動きが鈍くなっているかも知れないがお許しいただきたい。
その代わりに経験を積んで、川本眼科のことを知り尽くしている。
私が指示をしなくても先回りして仕事を済ませてくれる。
かけがえのないスタッフたちだ。

ベテランと新人で協力して良い医療の提供に努めたい。
これからも川本眼科をよろしく。

2008.11.3

院長のつぶやき視野予約制の総括

本年4月から視野検査を予約制にした。それからほぼ6ヶ月経った。
ここで予約制の結果・影響・評判について総括してみたい。

結論から言えば視野を予約制にしたのは正解だった。
自動視野計は1台しかない上に、一人20~30分かかる。
今までは機械が空くまで長時間待っていただいていた。
現在は予約を取れば待たずに視野検査を受けられる。

視野検査を受ける人たちには概ね好評だ。
順番が来てから、また視野計が空くのを待つと相当時間がかかる。
この待ち時間が一気に短縮した。
視野検査のときに散瞳検査なども一緒に受けることもできる。
「今日は視野検査」とあらかじめそのつもりで受診できるのもよい。
結構疲れる検査だから、それ相応の覚悟があったほうがいいのだ。

一方で、予約でない人たちは待ち時間が増えた。
予約の患者さんが先に診察を受けることに今でも苦情はある。
それでも、待ち時間の増加分は許容範囲だと思う。
今までだって、待ち時間は結構長かった。増加は10%程度だろう。

事前に予想していなかったメリットもあった。
予約なら、混雑が予想される時間の検査を減らすことが可能だ。
スタッフが2人以上休んだ時などの混乱を回避できるのはありがたい。
視野検査の待ち時間が減ると待合室の混雑が緩和されるのもうれしい。

もっとも、今までのやり方のほうがよいという方もいらっしゃる。
仕事のために先の予定が立たず、予約が難しい方。
体調や天気に応じて出かけたいため、予約をいやがる方。
すべての患者さんが満足するのは無理だ。
空いていれば当日予約も可能なのでそれでご了解いただくしかない。
当日ではほとんど枠は埋まってしまっているが、たまには空きもある。

総括すると、視野予約制にはメリットのほうが多い。
今後も予約制は続けるつもりだ。

2008.9.18

院長のつぶやき欠航であわや休診

お盆休みに家族で沖縄に行った。
帰り、沖縄から名古屋に戻る飛行機が欠航になってしまった。
なんでも、落雷のために機体に損傷、整備中とのこと。
無理に飛んで墜落でもしたら困るから、仕方がないことではある。
ただ、翌日からのの診療は「仕方がない」ではすまない。

お盆でどの便も満席だからホテルに泊まって翌日の便で帰れと言われた。
暇なら沖縄旅行が航空会社持ちで1泊伸びてうれしいかも知れない。
自分が病院の勤務医だったら言われるままにしていただろう。
しかし、医師が2人ともいなければ、川本眼科は突然の休診になってしまう。
休診を知らずに来院された患者さんから怒られることは必定だ。
お盆休みあけを待ちかねた患者さんがいらっしゃるに違いない。
予約の患者さんだってみえる。突然休診なんてとんでもない。
信用をなくしてしまう。スタッフにだって迷惑がかかる。

なんとかしろとJALの窓口担当者にすごい剣幕でねじ込んだ。
こちらも必死だ。どんな手を使っても帰らなければならない。

手はあるものだ。那覇-名古屋はもともと本数が少ないので無理。
しかし、那覇-大阪、那覇-羽田なら本数が多く空席待ちが取りやすい。
結局家族が二手に分かれて羽田経由新幹線利用で帰ってきた。
時間もかかり、疲れたけれど、その日に帰れてよかった。
新幹線代として1人1万2千円くれた。
那覇空港内の飲食券1人千円分ももらったけれど、結局使えなかった。

帰ったときはみんな疲れ切ってへとへと。
翌日の診療も疲れが残って結構こたえた。
それでも、ハイジャックに遭ったりするよりはずっとましか。

2008.8.24

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