川本眼科

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川本眼科だより

川本眼科だより 205エアコン入れ替え 2017年2月28日

川本眼科では、エアコンを入れ替えることにしました。3月に工事をする予定です。休診の日祭日と水曜午後を利用して工事には3~4日間かかります。近隣のみなさまや患者さんにも音や振動や道路使用等でご迷惑をおかけすることがあるかも知れません。ご理解賜れば幸いです。

今月号はエアコン入れ替えの経験談です。

ガスエアコン17年

川本眼科は1994年に開業、2000年に新築移転しました。ですから、今の建物のエアコンは17年間使用してきました。

川本眼科のエアコンはガスヒートポンプGHP方式です。普通は電気モーターのところがガスエンジンになっています。自動車のエンジン同様、オイル交換とかメンテナンスが必要ですが、使い勝手は電気と変わりません。

なぜ建築時にガスエアコンにしたかというと、電気式だとキュービクル(6,600ボルトから200ボルトに変圧する受電設備)が必要で、ガス式ならそれを回避できたからです。キュービクルは結構高価でしたし毎年の保守も必要になります。

東日本大震災と原発事故が起こり、節電を要請されたときにはガスエアコンにしていて良かったと思いました。あまり後ろめたさなくエアコンを使えましたから。

まだ使えない訳ではないのですが、最近は故障が増え、修理費用がかさむようになりました。そのうえ「もう修理部品が手に入らないかも知れない」と言われてしまいました。もしも修理不能になってしまったら、新品に取り替えるしかありませんが、工事はすぐにはできません。困ります。

省エネが進んだ

エアコンの世界では年々省エネ技術が進歩してきました。コンプレッサー、熱交換器、ファンなど様々な改良がされた結果、当院の古いエアコンを最新機種に取り替えれば燃料消費は半分以下になるそうです。ガスでも電気でも。それなら古い機種を我慢しながら使い続けるより、さっさと取り替えたほうが得かも知れません。

エアコン業者からは早く交換したほうが得だという試算を提示されました。ただ、業者はエアコンを売って儲けたい利害関係者なので、そのまま素直に信じるわけにはいきません。こういう試算は前提条件を変えると結果が異なるもので、試算の前提が業者に有利になるように設定されていると予想されます。

私(院長)は、セールストークに対する警戒心が強く、それに「使えるものを捨てるなんてもったいない」主義でもあるので、業者に勧められてもなかなか首を縦に振りませんでした。しかし、震災後「省エネ法」ができ、各社が発表する省エネ基準達成率は国のお墨付きだと知りました。冷暖房費削減のためにも、二酸化炭素排出量削減のためにも、取り替えたほうが良さそうです。

電気かガスか

エアコン入れ替えを決心したあと、次に迷ったのは、電気ヒートポンプ(EHP)に変更するか、ガスヒートポンプ(GHP)のままにするかでした。

ガス式のままなら難しいことを考えなくても機械を取り替えれば済みます。電気だと中部電力に契約変更を申請したり屋上まで電気ケーブルを引いたりしなければなりません。

しかし、ガスエンジンより電気モーターのほうが構造が単純で、メンテナンスの手間が少ないし、10年を超えて古くなっても故障が少ないようなのです。故障のたびに修理で人が出入りするのはストレスを感じます。それにメンテナンス料金もガスのほうが余分にかかります。この点では電気のほうが有利です。

マルチか単独か

マルチエアコンとは、室外機1台で複数の室内機(2~8台)を運転できるエアコンです。室外機1台に対して室内機1台だけ単独で接続するタイプに比べると、導入費用は安く済みます。川本眼科のエアコンは現在室内機1台に対して室内機2台を運転するタイプがほとんどで、一部が単独接続タイプになっています。

マルチの場合、いつも一斉に使うなら効率は良いのですが、室内機1台だけ使う時にも大きな室外機を稼働させなければなりません。これは無駄です。もし1台の室外機が故障すると接続している室内機がすべて使えなくなります。取り替えるときも全部同時にするしかありません。

単独なら、1台だけ動かすときにも無駄はありません。故障したときにも影響は1台限定です。広い部屋に2台室内機があれば、1台故障してももう1台は普通に使えます。マルチだと両方使えないので困ります。また、壊れたときも1台だけ取り替えることができます。

今回は、可能な限り単独接続タイプにすることにしました。設置費用は高くても長期的にみると利点が多く、ランニングコストを含めれば安くつく可能性が高いと判断したからです。

相見積もり

最初は川本眼科を建ててくれた工務店に見積をお願いしたのですが、高すぎたため、4社に声をかけて相見積を取りました。3社が電気、1社がガスです。見積には各社の担当者と面談し、図面を提供し、現況調査にも付き合わなければならず、結構大変です。依頼する側も相当な手間と時間がかかります。できるだけ競争させたほうが安くなる可能性が高いわけですが、院長の私が1人で対応するには時間的制約もあり、現実的には4社が限界でした。

でも、一番安い見積は最初の見積のほぼ半額でしたから、相見積で競争させるのは、費用を抑えるには非常に有効な方法だと思います。

選定の決め手

ただ、実際には一番安い値段を提示した業者を選んだわけではありません。

総額だけでなく内容をよく検討すると、安くするために室外機1台に対して8台の室内機を接続したりしています。こちらはなるべく単独にしたいのにこれでは真逆です。

ガスの場合、機種の選択肢は「GHPエグゼアⅡ」しかありません。アイシン、パナソニック、ヤンマーがそれぞれのブランドで発売していますが実は共同開発で中身は同じです。ということは競争原理も働きません。それにこの機種は個別には向きません。マルチにするしかありません。

結局、ダイキンの省エネ電気エアコンで大部分を個別に変更し、10年間無料で保証するという提案をされた東3冷凍機を選びました。この保証はかなり大胆で魅力的でした。

それに、提案されたエアコンの室外機は小さく、今回の工事では既設のデカい室外機を撤去するためにクレーンが必要ですが、将来(15年後?)に再びエアコン工事が必要になったときにはクレーンを使わなくてもエレベーターで運搬可能なのです。つまり、一度に総取り替えをしなくても少しずつ入れ替えることが可能になります。これは素晴らしいと思いました。

(2017.2)