川本眼科

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川本眼科だより

川本眼科だより 23川本眼科の1年 2002年1月31日

川本眼科を開業してから7年余りになります。
 
待ち時間が長い、という苦情をいただくことが多いのですが、努力しても患者さんの数が多いときはどうにもなりません。
 
けれども、実は結構すいているときも多いんですよ。寒い1月においでいただいた皆様だけにお教えいたしましょう。

高齢者が多いのが特徴

もともと、眼科は高齢者の多い科です。
 
白内障・緑内障・加齢黄斑変性症・眼底出血など、眼科で扱う病気の多くは、中高年になってから発症します。一度発症すると、慢性疾患なので、どうしても長期間通院することになります。
 
これに対し、若い方の病気は、結膜炎やものもらいなど、短期間で治るものが多いのです。
 
それでも、新興住宅地にある眼科の場合は子どもの患者さんの受診割合がかなり高いのですが、川本眼科では立地条件上こどもの患者さんは少なく、他の眼科とくらべても圧倒的に高齢者が多い状態です。
 
したがって、混んでいるかすいているかは、おもに高齢者の受診動向によるわけです。

冬は患者さんが少ない

川本眼科は例年1月4日に診療を始めます。1週間近くお休みをしていたのでとんでもなく混むかと思いきや、案外患者さんは少なく、午後など開店休業状態になることもあります。
 
たぶん、休みだというので心配して年末に受診される患者さんが多いので、薬も手持ちがあるのでしょう。年末にのみぐすりの3週間処方が認められている影響もありそうです。また、1月7日くらいまでは年始の挨拶や初詣などで忙しかったり、旅行にお出かけだったりするのだろうと思います。いつから診療が始まるのかご存じない方や、休み明けは混むだろうと予想していらっしゃる方が多いせいかも知れません。
 
反動で、そのあと少し混むこともあります。
 
しかし、総じて1月~2月頃は、1年で最も患者さんが少ない時期です。やはり、寒いせいでしょう。高齢者は寒さには弱いのですね。外出して風邪を引くことを警戒していらっしゃるのかも知れません。
 
目の病気は命に関わるわけではないので、外来患者さんの数は気候に大きく左右されます。冬でも、すごく寒い日が続いたあとに暖かい日があると急に患者さんが増えることがあります。
 
冬は患者さんの出足が遅くなります。朝は寒いですからね。待ち時間を少なくするためには、朝早く受診するのが得策です。
 
ウイルス性の結膜炎も冬には少ないですし、花粉アレルギーも冬だけはほとんどありません。
 
1~2月は、患者さんと雑談したりするゆとりが出ることもあります。ふだん、追いまくられるように「3分診療」をしていますから、時間に余裕がある冬はホッとしますね。

スギ花粉症の時期は混む

3月はスギ花粉症の季節です。2月末頃からぼちぼち花粉症の患者さんが受診されますが、急増するのは3月半ばでしょうか。
 
症状が出る前に早めに薬を使い始めることが推奨されているのですが、やはり実際に目がかゆくなったり鼻水が出たりしないと受診することは少ないので、花粉の飛散量が急に増えると突然混みだします。強い風が吹いて花粉がたくさん飛んでくると、翌週はてんてこまいになったりします。花粉症でなくても花粉情報はチェックしておいたほうがよいかも知れません。

花粉症の時期には、ふだん眼科と縁がないような比較的若い方の受診が増えます。お仕事を持っていらっしゃることが多いので、夕方の診療終了間際とか土曜日に受診される方が多いですね。可能ならそういう時間帯は避けたほうが賢明です。
 
花粉症は5月の連休くらいまで続きます。

春は患者さんが急増

春になると、冬の間受診を手控えていた患者さんがいらっしゃるので、患者さんの数が増えます。
 
冬の間と同じ調子で診療していると、ふと気づくとお待ちの患者さんのカルテがうずたかく積み上げられてあわてることがあります。

夏は受診者数は減らない

夏は暑いので、みなさん受診を手控えるかと思いきや、実はそうでもありません。短時間なら、寒いよりは暑いほうがなんとかなるのでしょう。それに、朝の比較的涼しい時間帯に出かければ比較的しのぎやすい訳です。
 
それでも、当然夏が苦手な方もいらっしゃいます。実際、高齢者の受診は減少するのですが、結膜炎やイネ科の花粉症が多くなりますし、学生さんが夏休みで受診しやすくなるので、全体としては受診者数は減らないのです。
 
夏は午前中に患者さんが集中する傾向が顕著です。やはり昼過ぎの猛烈な暑さの中を出歩きたくはないですよね。舗装道路からの照り返しも強烈ですし。

午後はすいていることが多い

そんなわけで、夏の暑いときは昼過ぎが一番すいています。
 
冬も、午前中に受診される方が多くなります。高齢者は明るいうちに家に帰りたいという気持ちが強いので、日が短くなるとあまり遅い時間の受診は避けるのだと思います。
 
春と秋は午後も結構混雑します。午前中ほどではないですが。とくにお馴染みさんは午後受診される方が多いですね。
 
午後は、一般的にはすいているので、メガネ処方・ものもらいなどの小手術・レーザー治療などの予約を入れています。また、スタッフの数も1人少なくなっています。ですから、意外に患者さんが多かった日は、午後でも待ち時間が長くなってしまうことがあります。

年末は混む

秋は患者さんは減りません。受診しやすい季節ですからね。しかし、寒くなってくると、徐々に患者さんの数は減っていきます。
 
冬でも、年末はかなり混みます。年末年始で1週間近くお休みをいただくので、その前に受診しておこうという患者さんが増えるのです。
 
しかし、これもおもしろいもので、例年12月28日午前まで診療するのですが、最終日など拍子抜けするほど患者さんが少ないことがあります。
 
これは、たぶん混雑するだろうと予測する方が多いので、みんながその日の受診を避ける結果、かえってすいてしまうのだろうと考えています。

診療に時間がかかる患者さん

以上は、一般的な傾向を申し上げました。しかし、難しい病気の患者さんがみえるとどうしても診療に時間がかかります。20分くらいかかってしまうこともあります。処置の後、再度診察することが必要な場合もあります。
 
そういう患者さんの後では、どうしても待ち時間は長くなってしまいます。これは運・不運と言うしかありません。ご理解いただければ幸いです。

2002.1