川本眼科

文字サイズ

小 中 大

院長のつぶやき

院長のつぶやき浅田真央選手の挑戦

浅田真央選手は高難度のプログラムに挑み、成功させた。
失敗を恐れず、果敢に挑戦した気概に拍手を送りたい。
求道者のように至高を目指す姿は、本当にかっこいい。

女子のフィギュア選手は体型の変化と闘わなくてはならない。
若い時には簡単に跳べたジャンプが跳べなくなる。
安藤美姫は4回転サルコーが跳べなくなった。
浅田真央はトリプルアクセルの成功確率が格段に下がった。
ジャンプの成功/失敗で点数は大きく変わり、不安定になる。

競技会で勝つためにはもっと別の道もあった。
成功確率の低いジャンプは最初から挑戦しない。
高難度の技の習得に時間をかける必要がなくなる。
それだけ、練習時間を他の技の習熟に割くことができる。
確実に跳べるジャンプに磨きをかけて、出来栄え点(GOE)で稼ぐ。
スピン、ステップ、スパイラルで失敗することは少ないから、
ギャンブルの要素が減って、いつも安定した得点を出せる。

キム・ヨナの選択した道はこれだった。
そして、実際に成功した。前回は金、今回は銀。
勝つことだけを考えれば、正しい戦略だった。

採点競技においては、採点基準が重要だ。
下手なアクセルよりは上手なルッツのほうが高点数になってしまう。
しかも、ジャンプの失敗は後を引く。
今の採点基準においては、浅田真央は不利だったと言うしかない。

でも、より困難な道を選んだ者こそ、次の時代の先駆者になる。
浅田選手は女子フィギュアの未来を見せてくれた。
あなたのチャレンジを心有る人は覚えている。

(2014.2.24)

院長のつぶやきエレベータ用防災キャビネット

エレベーターに防災キャビネットを置いた。
閉じ込められた時の対策である。

普段だったら救援は1時間以内に来るはずだ。
緊急連絡用のボタンや通話装置がついている。
本当に来てくれるか試したことはないが。

問題は地震などの広域災害の場合だ。
あちこちのエレベーターが一斉に止まる。
一斉に閉じ込められてしまう。

救援の人手は限られている。
順番に回ったとしても、何時間もかかるだろう。
ひょっとしたら2~3日かかるかも知れない。
救援センターそのものが被災する事態だってありうる。

それでも、ひたすら辛抱強く救援を待つしかない。
脱出可能なのは映画の中だけだ。
ブルース・ウィルスの真似はできない。

止まっていると照明は消え、真っ暗になる。
外からの情報も入らなくなる。
携帯電話やスマホがあればいろんな意味で助かるだろう。
ただそれもじきに電池が切れてしまう。

深刻なのはトイレだ。
生理現象だからどうしようもない。

エレベーター用防災キャビネットには、
1.ライト(予備の電池)
2.多機能ラジオ(手回し充電可能、携帯充電可能)
3.水(ペットボトル)
4.カンパン
5.簡易トイレ(ペーパー、便凝固剤、消臭剤)
6.ブランケット
などが入っていて、この問題を解決してくれる。

最初検討したのはコクヨS&Tの製品。
http://www.kokuyo-st.co.jp/solution/bousai/elevator.html
ただ、15万円もする。ちょっと高い。

結局決めたのは(株)シコクのEV椅子という製品。
http://www.sk-shikoku.co.jp/products/disaster.html
ネットで\57,750と格安。ただ多機能ラジオがなかったので、
ソニーの手回し充電・非常用ラジオICF-B88を\5,269で追加。
http://www.sony.jp/radio/products/ICF-B88/

壁に固定するのはやめて、置くだけ。
大きい荷物を運ぶときなど邪魔になる恐れがある。
簡単に動かせるほうが融通が利いて便利だ。

置いてみると、普段は椅子代わりにもなって具合が良い。
照明が消えても視認できるように蓄光テープを貼っておいた。

災害は、忘れた頃にやってくる。
いざという時の備えは大事ですよ。
思い立った時にすぐ行動しないと忘れてしまうし。
いつやるの? 今でしょ!

(2014. 2.2)

院長のつぶやき「医者に殺されない47の心得」を読んだ

近藤誠氏の著作は昔ずいぶん読んだ。
売れていると聞いて久しぶりに読んでみた。

残念ながら、主張に新味はない。
同じ主張を焼き直してたくさん本を出しているだけだ。

同意できる点は一部にある。
ただ、正しいことの中におかしな主張を紛れ込ませている。
おかしな主張のほうがどんどん肥大してしまっている。
もはや科学とは言えず、新興宗教のようだ。

末期癌では手術や抗癌剤より放置したほうがよいかも知れない。
私も、自分が癌になって治る可能性がないと判断したら、放置する。
体力を維持して、その間にできることをして人生を楽しもうと思う。
(なかなかそのように割り切ることができないのが人間だが)

しかし、治るはずの初期癌に放置を勧めるのは犯罪に近い。
氏の本を読んで治療を拒否して手遅れになる人が出るに違いない。

「がんもどき」理論は論拠に乏しく、単なる思いつきの域を出ない。

近藤氏は乳がんの縮小手術を普及させたと言って自慢する。
あれ? がんもどき理論が正しければ放置すべきでしょう?
乳がんだけはがんもどきでなく本当のがんなのだろうか?

近藤氏は子宮がんはステージによらず放射線治療がよいと言う。
あれ? がんもどき理論が正しければ放置すべきでしょう?
放射線だって副作用はある。がんでないなら使うべきではない。
子宮がんだけはがんもどきでなく本当のがんなのだろうか?

これらの記述は、がんもどき理論を自ら否定しているに等しい。

この人は現在ちゃんとした臨床研究をしている訳ではない。
だから主張の根拠はすべて他人の研究。
だが、その引用の仕方があまりにも恣意的。
自分の主張に都合の悪いデータはことごとく頭から否定する。
主張に都合の良いデータだけを拾い集める。
そういうやり方をすれば、結論はいかようにもねじ曲げられる。

他の医師を「製薬会社から金をもらって嘘を言っている」と非難する。
反対者にレッテルを付けて排除し出したら、眉唾と考えたほうがいい。
正面からの反論ができなくなっている証拠だから。

専門のがん治療以外では、議論がもっと粗雑になる。
大規模臨床試験の結果を何の根拠もなく否定する。
否定する科学的根拠はどこにも書いていない。
単に「医者は儲け主義だから信用できない」と言うだけ。
エビデンスのない仮説を売れれば良いと素人向けに書きまくるのも、
儲け主義の相当にうさんくさい商売だと私は思うが。

(2014. 1.29)

院長のつぶやきペルー旅行

年末年始は家族でペルー旅行。4泊7日という強行軍。
本当はもっとゆっくりしたい。当たり前だ。
しかし、開業医には1週間の休みが限度。

念願の天空都市マチュピチュとナスカの地上絵。
雨期だったが、天候には恵まれ、どちらも快晴だった。
遠くの景色まで見通せる。素晴らしい。
日頃の行いが良いからだ、と勝手に思いこむ。
過去の偉大な文明の巨大な遺構。思いを馳せる。

クスコの町ではNew Year’s Eveのお祝い。
町の中心の広場はお祭り騒ぎ。
渦巻きのようにぐるぐる回る人の輪。花火。
この日でしか出会えない光景。
大晦日に紅白歌合戦をテレビで見るのも悪くはないけれど、
非日常に遭遇するのが旅の醍醐味。

強行軍ではあったが、行ってよかったと思っている。
歳を取ったら、もうこんなハードな旅はできないから。
行けるときに行っておかないとね。

-
非日常はたちまち過ぎ去り、嫌も応もない日常が待っている。
さあ、お仕事。お仕事。
時差ボケの直らぬ頭で懸命に外来をこなす。
また次の「非日常」を楽しみに、せいぜい仕事に励もう。

(2014.1.9)

院長のつぶやき

最近の投稿
2020年8月2日
最近の川本眼科
2020年6月8日
コロナの日常
2019年11月4日
名古屋市医師会急病センター
2019年11月1日
川本眼科25周年
2019年2月25日
リニア新幹線
2019年2月3日
北側への増築工事
2018年4月26日
受診されていない方のお問い合わせ
2018年4月16日
身体障害認定基準の改正
2018年4月13日
スマホの買い替え
2018年2月25日
入試出題ミス救済処置への疑問