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川本眼科だより 147私の情報整理法 2012年4月30日

現代人の生活は情報整理と無縁ではいられません。パソコンなどで扱う電子化された情報は整理しやすいのですが、問題は紙に書かれた情報です。パンフレット、論文、会議や講演会の配付資料、説明書、保証書、医療マップ、住所録、案内状、割引券・・・

増え続け、散乱する紙の情報の洪水と格闘し続けて、溺れかけているのが実情です。情報整理の本はいろいろ読んでみましたが、筆者と私では状況や目的意識が違う場合が多く、どんな方法もなかなか決定版とは言えないようです。

みなさんのご参考までに、私なりの情報整理法をご紹介いたします。家内からは「あのゴミの部屋で生活しているのに他人様に紹介なんてできるの??」と呆れられそうですが。

角形2号封筒を再利用

私は、紙に書かれた情報を整理するのに、いろいろ試行錯誤を繰り返してきました。失敗を重ねた末に、角形2号封筒(角2封筒)を使って整理するようになりました。この封筒はA4サイズの書類や雑誌を折らずに入れられるため、近年非常によく使われ、大型封筒の事実上の標準になっています。

送られてくる郵便物の多くが角2封筒なので、捨てずに取っておくとどんどん溜まります。これを再利用しています。ですからコストはタダです。買っても安いものですが。(以前クリアブックを使っていた時は費用が馬鹿になりませんでした)

B5の文書でもハガキでの通知でも、どんなものでもすべて角2封筒に入れることでサイズを揃えます。(規格化) 並べた時に見やすくなって目的の情報を探し出しやすくなりますし、小さなものが紛失する事故を防ぐことができます。

当然、関連あるものをまとめて1つの封筒に入れるわけですが、「1項目に1つの封筒」を原則としています。そのために封筒はふんだんに使います。どこにも分類しにくいような情報はたとえ1枚の紙であっても独立した封筒に入れます。(クリアブックではもちろんそんなもったいないことはできません)

封筒は融通無碍です。1枚の紙ならペチャンコで場所を取りませんし、100枚以上あるような文書でも入れておけます。たくさん詰め込む時はマチ付きの封筒を使うこともできます。

タイトルを右肩に書く

封筒の右肩にタイトルをサインペンで書いています。本棚に並べた場合、封筒全体を取り出さなくてもタイトルだけ眺めて目的の情報を探せます。

タイトルは「タミフル」とか「拡大読書器」とか「カルテ整理」とかできるだけ端的に内容を示すタイトルを付けています。小項目主義ですね。
(クリアブックを使っていた時は、1冊の収納量が大きいので必然的に「内科治療関連」とか「弱視用ツール」とか中項目・大項目にせざるを得ませんでした。)

ただ、同種の情報を並べておいたほうが便利な場合があるので、タイトルの付け方で工夫しています。例えば「緑内障 点眼薬」「緑内障 手術」とか、「保険 全労済」「保険 チューリッヒ」とか、中項目や大項目も使った折衷方式です。小項目に分かれているものを途中からまとめることもあり、例えばコンピューター関連がバラバラだったのを、ある時「PC ハードディスク」「PC マウス」などと変更しました。

封筒はタダなので、タイトルを変更するとか、細分化したり統合したりするとか、どんどん試してみることができます。気に入らなければまた変えればよいだけの話です。(クリアブックの時は一度決めた分類の変更は困難でした)

アイウエオ順に並べる

正確に言えば、数字→アルファベット→日本語の順で日本語は五十音順です。仕事関係も趣味も町内会も子供関係も全部ゴチャゴチャです。分類しようとしても分類しきれないものが残るので、全部まとめてアイウエオ順のほうが後で目的の情報を探すのに便利なのです。別の時期に別々の封筒に入れたものでも、タイトルから自然に同種情報を寄せられるメリットもあります。

このやり方は私の生活には一番合っていたようで、一度封筒に入れて並べてしまえば、10年、20年前の情報でも、たちどころに取り出すことができます。例えばかんぽが10年で満期になった時も保険証書はすぐ出せました。

問題は、毎日毎日きちんと処理すればいいものを、ついつい億劫になって未整理の情報が机の上にうずたかく積まれることですが・・

「超」整理法はうまくいかず

野口悠紀夫氏が「超」整理法という本を執筆し、ベストセラーになったことがありました。私と同じ角2封筒の再利用だったことに驚きましたが、考えてみればA4サイズが入る封筒と言えば必然的に角2になるのでした。

一時「超」整理法を試してみました。「分類はせず内容に関係なく時間順に並べる」という方法がその骨子です。残念ながら、私の場合整理がつかぬまま無秩序が拡大し、結局失敗しました。たぶん、野口氏の場合は氏の執筆活動に特化したシステムなのに対し、私の場合は説明書だとか保険証書だとか契約書だとか何年も経ってから必要になる種類の情報まで一緒になっているのが原因だと思います。野口氏の表現を借りれば「神様ファイル」が多すぎたのです。

モノの整理も封筒で

最近は味を占め、モノの整理も封筒を利用するようになりました。例えばカメラを買うと説明書や付属品がついた箱がついてきます。この箱をそのまま保存している人が多いと思いますが、私は箱の製品写真や重要情報はカラーコピーし、箱自体は捨ててしまいます。説明書や保証書と一緒に封筒に入れます。付属品のストラップ、予備の充電池、パソコン接続ソフト、充電ケーブルくらいならそれも封筒に入れ、「カメラ NiceShot S99」などとタイトルをつけてアイウエオ順に並べます。

必要なものがどこにあったかわからなくなる紛失事故が起こりにくくなりますし、箱に比べれば場所も取りません。あまり厚みのあるものだと封筒に収納するのは無理がありますが・・

なるべく電子化

パソコンで作成した文書や、Eメールなどは整理が容易です。大量にあっても場所を塞がないので捨てるかどうか悩む必要がありませんし、キーワードや日付を使って検索することもできます。一度その恩恵を味わったら元には戻れません。

ですから、紙の情報をできるだけ電子情報に置き換えていくのは有効な対策です。私は連絡にはなるべくEメールを使ってもらっています。記録が残りますし、転送や2次加工にも使えて便利だからです。医師会の連絡もFAXでなくPDFにしてもらいました。

世の中一般が電子化して紙が減れば、情報整理の苦労もずいぶん軽減することでしょう。

(2012.4)