川本眼科

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川本眼科だより

川本眼科だより 280コロナ後の感染防止対策 2023年5月31日

新型コロナウイルスCOVID-19、3年も続くとは思っていませんでした。長かったですね。でも、ようやく終わりが見えてきました。

今後、川本眼科の感染防止対策をどうするか、考えてみました。

ウイルスは残り続けるけれど

コロナウイルスが消えてなくなることはありません。それは風邪やインフルエンザがなくならないのと同じです。今も死者は出ています。

ただ、既にコロナウイルスに対して免疫を持っている人が多くなっているので、爆発的な流行は起こりにくいはずです。もはや、日常生活に支障をきたすほどの厳戒態勢を取る意味はありません。そもそも完全な無菌状態で暮らすことなど不可能で、細菌やウイルスと折り合いをつけて共存する以外に道はありません。

旅行、祭り、イベント、対面での学会等々が再開されています。うれしいですね。

コロナ以外の感染症も激減

コロナ禍の間は、実はインフルエンザなど他の感染症も激減していました。特に、飛沫感染で広がるマイコプラズマ、RSウイルスなどは激減しました。接触感染で広がるウイルス性胃腸炎なども激減しました。眼科でも、アデノウイルスによる結膜炎が減りました。つまり、手洗い・消毒・外出自粛・三密回避などの対策は、コロナ以外の感染症に対しても有効だったのです。

コロナ以外の感染症も考えて、基本的な感染防止処置は続けたほうが良いと考えられます。流行期でなくてもしたほうが良いこと、流行期だけすべきことがあります。

マスクはどうする?

屋外ではもうマスクなしでよいでしょう。屋外での感染リスクは元々高くはなく、これから暑くなってきますから、熱中症予防の観点からマスクなしがお勧めです。コミュニケーションのためにもマスクは邪魔ですよね。

屋内では、特に換気が悪い場合には感染リスクはあります。医療機関では高齢者や免疫状態の悪い方もいらっしゃるので、今もマスクが推奨されていますが、さらに状況が落ち着けばいずれ室内でもマスクを外すことになるでしょう。川本眼科でも、全員にマスクをお願いするのはそろそろ止める方針です。

マスクをしなくなれば、ますます換気には気をつけなければなりません。川本眼科でも換気は今後も続けていきます。

手洗いは感染症予防の基本

手洗いは、コロナに限らずあらゆる感染症で予防の基本です。ぜひ、習慣にして続けましょう

外出から帰ったら手を洗いなさい、はコロナが始まる前から言われていたことだと思います。人間は手でいろいろなものを触りますから、手に病原体が付着することが非常に多いのです。手を洗うだけで汚れとともにそういう病原体のほとんどを洗い流すことができます。

例えば結膜炎がうつるときにも、手にウイルスが付着して、その手で目を触るという感染経路がほとんどだと言われています。手洗いは結膜炎予防でも大切なのです。

手洗いは感染予防にとても効果的です。ただし、20秒以上時間をかけて丁寧に洗って下さい。お勧めは泡タイプのハンドソープ。石鹸でもよいのですがしっかり泡立てる必要があります。指先の爪のところや指と指の間の股のところを洗い残ししやすいので意識して洗いましょう。

なお、手を拭くタオルが汚れていたらせっかく手洗いしても何にもなりません。タオルはこまめに交換しましょう。

手指のアルコール消毒も有効

アルコールで手指を消毒するのも、コロナに限らず多くの感染症に有効な基本的感染防御対策です。手洗いに優るものではありませんが、場所を選ばず短時間でできるのが利点です。

お店、レストラン、医療機関に入るときには、コロナが終息した後も、手指をアルコール消毒しましょう。風邪にも、インフルエンザにも、他の様々な感染症にも効果があるからです。

ただ、アルコール消毒をあまりにも頻回に繰り返していると、皮膚が荒れて炎症を起こします。実は私も手が荒れ、一時対策としてプラスチックの使い捨て手袋をはめていました。手袋では細かい作業がしづらくて不便でした。

こまめに清拭は続けたいが

多くの感染症で手を介しての感染は多いので、人の手が触れたところを消毒薬で拭いて回るのは重要な感染ルートを遮断することになります。

ただ、ものすごく手間がかかります。コロナ禍のさなかと同じように続けるのは難しいでしょう。範囲を縮小して、人の手の接触が特に多い部位だけ重点的に清拭するのが現実的です。

ワクチン接種はどうする?

コロナワクチン接種の必要性は以前ほど高くないと考えられます。それでも、接種券が届いたら接種しておくのが得策です。高齢者・基礎疾患がある方・医療従事者には半年に1回、一般の方には1年に1回接種券が届くらしいです。

ワクチンの効果は時間とともに薄れます。追加接種を受ければブースター効果が期待でき、感染しにくくなるし、感染しても重症化しにくくなります。発熱など多少の副反応は出ますが、感染して万一重症化したらもっとずっと大変です。

なお、ウイルスは今も変異し続けていますが、新しい変異株に対しても今のオミクロン株対応ワクチンで十分効果があるそうです。

私自身は5月中に6回目の接種を受けました。

体温測定はいい加減だった

体温測定は、ほとんどの場合、測定の仕方がいい加減すぎて、意味がなかったと思います。非接触の体温測定は、距離や測定部位などをきちんと守らないと測定の信頼性がありません。

そもそも、脇の下や口の中でなく手の甲などで測っても、通常より低く測定されますから発熱していても見つけられなかったでしょう。

対策をしているというポーズだけでした。

パーティションは換気を妨害

アクリルのパーティションに効果はあったのでしょうか? 2人で会話する中央に置けば飛沫をブロックしますが、パーティションの手前には飛沫やエアロゾルが滞留します。そこに次の人が座ればウイルスを吸い込むことになります。かえって換気の邪魔になってしまいます。

パーティションを置くより、しっかり換気することのほうがずっと大事だったと思います。

本や雑誌は?

眼疾患のパンフレットは一時撤去しましたが今は戻しました。新聞や本や雑誌はウイルスを媒介する恐れがあるのでまだ迷っています。ただ、それを言ったら書店も図書館も存在できません。公共の本を触る前後には手指消毒がお勧めです。

(2023.5)