川本眼科

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川本眼科だより

川本眼科だより 81日帰り手術と入院手術 2006年11月30日

白内障手術は、日帰りが普通になっています。ほとんどの方は「簡単でいいし気楽だ」と日帰り手術を歓迎されます。しかし、時には、入院して手術を受けたいという方もいらっしゃいます。
 
今回は、それぞれどんなメリット・デメリットがあるのか比較してみることにいたします。

日帰り手術が約98%

白内障手術をご希望の場合、川本眼科では通常日帰り手術をお勧めしています。日帰り手術は名鉄神宮前のすぐそばにある「中京眼科」で行います。手術日だけは中京眼科に出向く必要がありますが、手術前の検査や手術翌日以降の診察など手術以外はすべて川本眼科で受けていただきます。
 
このやり方は、年間千件以上白内障手術を執刀する熟練した術者の手術を受けられ、通院は慣れた川本眼科でよいことから、多くの患者さんの支持を得ています。
 
日帰り手術の場合、手術が終わればすぐ自宅に帰れますから、患者さんにとって入院の支度も必要ありませんし、気楽です。多くの人にとって、やはり自宅が一番リラックスできるのではないでしょうか。
 
他院で入院手術を勧められた患者さんが、日帰り手術を希望して川本眼科にいらっしゃることもあります。
 
川本眼科では、白内障手術の約98%が日帰り手術になっています。中京グループが日帰り手術を始めた11年前はまだ一般的ではありませんでしたが、今日では日帰り手術がごくあたりまえになっています。

入院手術をお勧めすることも

ただ、川本眼科でも、患者さんによっては入院手術をお勧めすることがあります。
 
例えば、水晶体が非常に固い場合や瞳孔が開かない場合は、手術が難しくなり、トラブルがおこる危険性が高くなります。日帰り手術で問題がおきたときは、あらためて社会保険中京病院に入院して、処置を受けていただかなければなりません。
 
もし、あらかじめトラブルの可能性が高いと予想されるときは、初めから入院手術にしたほうが無難です。その場で追加の処置を受けられるからです。
 
そのため、日帰り手術にするか入院手術にするか、ある程度基準を決めています。瞳孔が 5.5mm以上に開かなければ入院手術、水晶体の堅さを5段階評価して最も固いグレードの場合は入院手術、重篤な内科合併症をかかえているときは入院手術・・・等々。
 
この基準は絶対的なものではありません。患者さんやご家族が強く日帰り手術をご希望の場合には、執刀医と相談した上で日帰り手術にする場合もあります。

大病院は融通が利かない

入院手術はふつう中京グループの中核である社会保険中京病院に依頼しています。(もちろん、特別なご希望があれば、他の病院に紹介することは可能です)
 
中京病院の眼科外来はいつも混雑していて、予約制ではありますが時間通りに診察を受けることはできず、長時間待たされます。
 
日帰り手術の場合には術前検査は川本眼科で行いますが、入院手術の場合には中京病院で行います。あちらこちら検査室を行ったり来たりしなければならず、検査だけでも結構大変です。レントゲンや心電図など、白内障手術だけなら必要がなさそうな検査も受けなければなりません。大病院は融通が利かないのです。

入院手術をあえて選ぶ

日帰り手術が問題なくできる場合でも、「心配だから、手術のときは2~3日入院したい」というご希望をいただくことがあります。
 
すでに今までの説明でおわかりと思いますが、日帰り手術と入院手術では、そもそも手術する場所が異なりますし、やり方が全く違います。簡単には変更できません。手術までの待ち時間も違います。入院手術を受けるなら大病院にありがちな多少のわずらわしさは辛抱していただく必要があります。
 
入院しているとなんとなく安心ではありますが、診察は1日1回だけですので通院の場合と変わりはありません。あとは目薬をさすだけです。体は元気なので、暇でしかたがないという方も多いようです。
 
入院手術の後で川本眼科に通院することは問題なくできますが、その場合、1・3・6・12ヶ月目には中京病院で検診を受けることになっています。これも面倒ですよね。
 
通うのも大変だから入院してしまったほうが楽ではないかと考える方もいらっしゃいます。実際には違います。入院は1週間程度のことですし、あとは通院しなければなりません。あの混雑した中京病院に術前術後で最低でも6~7回は通わなければならないのですから、残念ながら通院の負担もあまり楽にはならないようです。
 
そういったことをすべて了解された上で、なおかつ入院手術をお望みでしたら、もちろんご希望通りにさせていただきます。遠慮なくお申し出ください。

他の病院の場合

ときには、杉田眼科・安間眼科・三宅眼科など中京グループ以外で手術を受けたいというご希望をいただくこともあります。既に手術を受けたことのある知り合いの方に勧められた、というケースが多いですね。
 
これも患者さんの自由ですから、遠慮なくお申し出ください。紹介状をお書きいたします。
 
この場合、手術についてはすべて紹介先にお任せになりますので、手術後のことなどはすべて紹介先と御相談下さい。手術を受けたあと再び逆紹介で川本眼科に戻ることは一般的には可能ですが、落ち着くまではうちに通って下さいと言われることもあるようです。

院長が受けるなら日帰り手術

患者さんにとって楽なのは、ほとんどの場合、やっぱり日帰り手術でしょう。
 
入院を希望される方は、手術に対する不安が先に立ってしまうようです。心配ありません。白内障手術では大きな合併症がおこることは大変まれです。手術後もかなりの程度までいつもの生活を続けることができます。ですから、あえて入院を選ぶ意味はなさそうです。
 
入院手術にするのは、医学的な理由があって医師が勧めた場合だけでよいでしょう。
 
少なくとも、私自身が受けるなら、「断然日帰り手術」です。

2006.11