院長のつぶやき 医師会推薦候補の落選 2007年8月8日
参議院の選挙で医師会が推薦した武見敬三氏が落選した。
安倍政権の失政に対する批判が最大の原因でしかたないな、と思う。
もともと、私などは別に武見氏を熱烈に応援していたわけではない。
医療 費を見境なしに削減するような政治に反対していくためには、
医師の代表を国会に送る必要があると考えただけだ。
本来は、医師の代表が自民党政治に完全に組み込まれる形で
活動することは好ましくない。ほかのことにはなるべくタッチせず、
医療問題の専門家であることが望ましい。現実の政治の中では、
与党においてそれなりのポストを得なければ仕事ができないという事情は
よくわかるのだが。
それに、そもそも、武見氏は医師ではないから、医師の代表として
ふさわしいのかどうかもよくわからない。あの武見太郎氏の息子とはいえ、
畑違い の人で、選挙対策のために医師会に接近したように見える。
できれば、医師 の代表は医師であってほしい。
武見氏に対して、産婦人科では看護師内診問題で玉虫色の決着を
図ったことに対する批判が絶えなかった。また、選挙対策で柔道整復師に
接近したがその姿勢を整形外科医は非難していた。医師会長の選挙の
しこりもあったら しい。
要するに、医師がそろって医師会推薦候補を支持するような状態では
なかった。
選挙で票になるかどうかで動く「いかにも政治家」という人ではなく、
長年医師として働いて苦労してきた人が、純粋に医療を良くしたいという
思いから政治を志してほしい。そして、そういう志を持った人が政党の枠を
超えて活動することができたらどんなに良いかと思う。