川本眼科

文字サイズ

小 中 大

院長のつぶやき

院長のつぶやき眼科119番 第2版

今回はこの場を借りて本の宣伝をさせていただく。

社会保険中京病院を中核とする眼科医療ネットワーク「中京グループ」が
本を出した。
書名は「眼科119番」。5年ぶりの改訂だ。
編著者の中村友昭先生は友人だが、近視矯正手術の第一人者である。
中京病院の眼科医師十数名が分担して、さまざまな目の症状と対応法を
解説している。
やや専門的ではあるが、このくらい詳しく書かないと実際の役には
立たない。
正確さにこだわった情報がたっぷり詰まっていて読みごたえがある。
良書だ。

私も初版につづき、グループ医院としてコラムを担当させていただいた。
残念ながら印税はもらえないが、主張を広く世に知っていただく
良い機会だと思う。

値段は1470円。一般向けの本としてはちょっと高いかな。
でも、それだけのお金を出す価値は十分ある。

書店に出まわっているはずだが、インターネットなら下記で買える。
http://www.bk1.jp/product/02943626

院長のつぶやき混合診療禁止は違法

混合診療については以前にも取り上げた。(→混合診療の二重基準
混合診療というのは、保険診療と自費診療を一緒に行うことだ。
混合診療は禁止されていることになっている。
一連の診療行為で一部でも 自費診療の部分があれば、
全部を自費にしなければならないとされている。

ところが混合診療禁止にははっきりした法律上の規定はない。
これはおかしいと訴えた人がいた。
弁護士に軒並み断られたが、 弁護士なしで裁判をしたという。
なんと、一審の東京地裁で勝訴してしまった。(2007.11.7)

判決は混合診療全面解禁を意味し、影響はきわめて広範囲に及ぶ。
混合診療解禁には功罪両面がある。
医師それぞれの創意工夫が可能となり、 できることが増える。
その反面、金のあるなしで受けられる医療内容に差ができる。
これまでも長年にわたり「解禁是か非か」と大議論が続いてきた。
もし、このまま判決が確定すれば、医療制度の大変革となる。

しかし、もちろん、このまま確定することはないだろう。
医師会は混合診療解禁に 猛反対だ。(→混合診療解禁反対の署名運動
厚生労働省も混合診療禁止を維持するつもりだ。
だから、裁判はおそらく最高裁まで続くと思われる。

この判決は混合診療について考え直す良い機会だと思う。
全面解禁には確かに問題があるかも知れない。
けれでも、混合診療禁止の矛盾はあちこちに噴出しつつある。
がん患者さんなどが実際に困っているのだ。
何とかしなくてはならないし、やり方はいろいろあると思うのだが。

2007.11.8

院長のつぶやき医師免許証の偽造

新聞報道によると、岐阜県で無資格のニセ眼科医が逮捕されたそうだ。
2001年に岐阜県関市の眼科診療所で非常勤医として働き、2002年関市に
眼科診療所を開設、その後大垣市の病院に勤務し、2005年に北方町で
コンタク ト店隣接の眼科「アイクリニック北方」を開業したという。

驚きあきれるしかない事件だが、「悪い奴が捕まりました。
世の中いろんなことがあるもんですねえ」で済ましてしまっては
ならないと思う。最大の問題は、医師資格の確認が従来きわめて
いい加減で、その辺の事情をよく知った人間なら簡単に「なりすまし」が
可能だったことだ。

医師免許証は賞状や表彰状みたいな代物だ。顔写真はついていないし、
偽造防止のための工夫など何もされていない。町の印刷屋が
その気になれば誰にも見分けがつかないようなニセ免許証を
作ることだって容易だ。
そのうえ、病院に就職する際も、たいていは医師免許証のコピーしか
要求 されない。
原本を見せろと言われることはまずない。
医師免許証は大きくて折れ曲がらないように持ち運ぶのが
大変だというのも理由の1つだ。

しかしコピーなら名前を改竄することも簡単だ。
コピーなら本人に気づかれずに他人がこっそり悪用することも可能だ。
診療所を開設する際も、医師免許証のコピーでよい地域もあった。
ほかにもニセ医者事件があったので、さすがに今は必ず原本と
照合することになっているはずだが、これもそんなにしっかり
確認するわけではない。本物によく似た紙にカラーコピーして
原本だと言えば通ってしまう可能性は高い。

さらに、最近になって医師免許取得者のデータベースができたので、
届け出の際にチェックすればニセ医者を防げるという。
これも実は問題がある。
ニセ医者が医師免許証の名前通りの人間になりすませば、
データベースには確かにそういう名前の医師が存在するので見抜くことが
できない。結局、根本的な解決にはシステムを改変するしかないだろう。
医師免許証のスタイルを変更すればいいのだ。

運転免許証のように顔写真付きにすれば、他人がなりすますことは
できなくなる。
ホログラムのような偽造防止技術を使ったものにすれば、コピー機で
偽造という安易な方法は使 えない。ICチップ埋め込みなんていう技術を
利用することも考えられる。その気になれば簡単に変更できるはずだ。

そして、携帯が容易な大きさにした上で、コピーでなく本物の
医師免許証の提示を求めればよい。コピーが必要なときはコピーを
持ってこさせるのではなく、担当者がその場でコピーを取るべきだ。
医師という重要な身分を証明する最大のよりどころであるはずの
医師免許証なのだから、このくらいのことは当然だと思うのだが。

2007.10.10

院長のつぶやき大変!高血圧だ!

私は人間ドックには行ったことがない。典型的な医者の不養生である。
血液検査だけは自院でするが、あとは多忙を口実に逃げていた。
たまたま、先日献血をした。学生時代に始めて100回目の献血だった。
問診担当の老医が何度も血圧を測り直して言うことには
「血圧高いですよ。今日は献血してもいいことにしておきますが」
そう言えば、数年前から血圧が少し高めと言われることが多くなった。
たまたま緊張やストレスで高かっただけだ、と思っていたのだが・・

さすがにちょっと気になって、さっそく最新の自動血圧計を注文。
2日で届いたので測ってみる。何度も何度も測り直す。
何? 170/110だって?
驚愕。信じられなくて家族の血圧を測りまくる。みんな正常。ええっ?
機械の故障ではなく、どうやら立派な高血圧のようだ。ショック!
まだ、子供たちは中学生。脳卒中や心筋梗塞になってはまずい。

家内からは病院に行けと言われたが、血圧くらいで通院もしんどい。
眼科医とはいえ、本当に医者の不養生だ。
どうせ本態性高血圧だろうと高をくくり、薬をのんですますことにする。
最初はミカルディス、それから利尿剤(ダイクロトライド)を追加。
幸い、反応は良く、130/80くらいに落ち着いた。
一度全身検査は必要なのだろうけれど、暇ができたら、ね。(^o^)

減塩もしようとしたが、これは言うほど簡単じゃない。
だいたい、家族と別メニューを食べるなんて無理だ。
せいぜい、醤油をかけないようにするくらい。
大好きなラーメンの汁は泣く泣く残すことにしたけれど。
患者さんの苦労が身に染みてわかる。
これからは、もう少し、患者さんに優しくしよう。

2007.9.4

院長のつぶやき医師会推薦候補の落選

参議院の選挙で医師会が推薦した武見敬三氏が落選した。
安倍政権の失政に対する批判が最大の原因でしかたないな、と思う。

もともと、私などは別に武見氏を熱烈に応援していたわけではない。
医療 費を見境なしに削減するような政治に反対していくためには、
医師の代表を国会に送る必要があると考えただけだ。

本来は、医師の代表が自民党政治に完全に組み込まれる形で
活動することは好ましくない。ほかのことにはなるべくタッチせず、
医療問題の専門家であることが望ましい。現実の政治の中では、
与党においてそれなりのポストを得なければ仕事ができないという事情は
よくわかるのだが。

それに、そもそも、武見氏は医師ではないから、医師の代表として
ふさわしいのかどうかもよくわからない。あの武見太郎氏の息子とはいえ、
畑違い の人で、選挙対策のために医師会に接近したように見える。
できれば、医師 の代表は医師であってほしい。

武見氏に対して、産婦人科では看護師内診問題で玉虫色の決着を
図ったことに対する批判が絶えなかった。また、選挙対策で柔道整復師に
接近したがその姿勢を整形外科医は非難していた。医師会長の選挙の
しこりもあったら しい。
要するに、医師がそろって医師会推薦候補を支持するような状態では
なかった。

選挙で票になるかどうかで動く「いかにも政治家」という人ではなく、
長年医師として働いて苦労してきた人が、純粋に医療を良くしたいという
思いから政治を志してほしい。そして、そういう志を持った人が政党の枠を
超えて活動することができたらどんなに良いかと思う。

院長のつぶやき