院長のつぶやき 便利そうなものは壊れやすい 2012年11月11日
最近、立て続けにモノが壊れる。
この1週間で食器洗い機が壊れ、ガス式衣類乾燥機が壊れた。
今日、車のボンネットを開けたら、ダンパーがダメになっていて、片手で支えていないと閉まってしまう。
支え棒に比べて便利だったのだが、支え棒と違い、寿命があるらしい。
仕方ない。何しろ、1995年以来17年乗り続けてきた車だもの。
ついでに言えば、ハンドルの上下が電動でできるはずが壊れていると車検の時に言われた。
私しか乗らないから、不便はない。直すと○十万円かかるとか。
これを使ったのは数回だけ。10回は使っていない。もちろん直さなかった。
だいたい、便利なものほど仕組みが複雑ですぐ壊れる。
自動ドアは便利だが、故障すると厄介だ。重たくて開閉しにくい。
今まで3回くらい修理した。普通のドアなら壊れることはまずないのに。
電子錠が壊れたときも往生した。
なんと!同じものが生産中止でシステムごと全部取り替える必要があるとか。
生産中止後8年経つと部品がなくなって修理もできなくなるって・・唖然。
ワンタッチ式の折りたたみ傘は便利そうだったが、あっという間に壊れた。
今は「手動式が一番」とつぶやく私・・
可動部分や電動部分があると、寿命がある。
定期的に修理するか取り替えるしかないのだ。
シンプル・イズ・ベストは多くの場合に正しい。
–
医療現場でも同じようなことはある。
ペースメーカーなどは電池の寿命などの関係で交換が必要なようだ。
人工関節も10年くらい保つけれどそれ以上は保証できないとか。
それに比べ、眼内レンズの寿命は長い。
何しろ、可動部分がない。何十年も使われて問題ないことはよくある。
材質にもよるけれど、だいたい一生保つと考えて間違いなさそうだ。
眼内レンズに調節(ピント合わせ)機能を持たせようという発想がある。
レンズを前後に動かしてピントを合わせ、老眼鏡を不要にする。
なるほど便利そうだが、はたして耐久性はどうか?
数年でうまく動かなくなる可能性は高い。
そうすると、また手術して交換するしかない。
だから、可動部分のある眼内レンズは、慎重に考えたほうがいい。
使用し始めて10年経たないと壊れやすいかどうか判明しないわけだし。
–
対策は何だろう?
便利なモノを使わないのが究極の対策だが、そうもいくまい。
1つはなるべく壊れないように耐久性を高めることだろう。
その上でなるべく長く使い続ける。
いずれは壊れるとしても、私の車みたいに17年乗れば元は取れる。
もう1つは、部品を交換しやすいようにしておくことだ。
眼内レンズは簡単に交換できないがメガネなら容易に替えられる。
セールストークにだまされないよう気をつけながら、
「便利だけど複雑で壊れやすいモノ」と上手に付き合っていきたい。
(2012.11.11)