川本眼科

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院長のつぶやき

院長のつぶやき アベノミクスの危険 2013年3月4日

安倍氏が金融緩和政策を推進すると言ったら円安になった。
円安で輸出企業が潤い、それを材料に株価が上がっている。
まるで良いことずくめのように見えるが、本当にそうか?

円安は、ドルベースで見れば国富の減少にほかならない。
日本はエネルギーも原材料も食料品も輸入している。
その分は当然物価上昇につながる。
要するに、一般消費者から輸出企業に金を移動させているわけだ。
普通の人は、円安になったら大損する。
そのことを書かないマスコミって何だ?

金融緩和と言っても、金利はゼロで下げる余地はない。
だから、お金を市場にあふれさせる「量的緩和」をやっている。
本当に資金需要があるなら有効な手立てだが、実は需要はない。
研究開発や設備投資に使ってほしいのだが、そうはならない。

結局、余った金は株や投機や不動産に向かう。
実体経済は動かず、マネーゲームだけ盛んになる。
これは要するにバブルである。
バブルは、一時的には楽しいが、いずれ破綻する。
バブルがはじけた後の後始末が大変なのは身に染みたろうに。

安倍政権は需要を作るために公共事業をたくさんやろうとしている。
「国土強靱化」などとお題目は変わっても狙いは同じだ。
けれど、以前から繰り返された公共事業は無効だった。
これから成長する国には有効な方策が、老大国には役に立たない。
歴代の自民党政権は公共事業に金をつぎ込んできた。
麻生氏が首相だった頃の大盤振る舞いなんてすごかった。
しかし、景気はよくならず、借金だけが雪だるま式に増えた。

今やろうとしていることは、かつて失敗した政策を、
性懲りもなく名を変えて繰り返しているだけにしか見えない。
本当にそれでうまく行くのか?
私は、うまく行くはずがないと思う。

アベノミクスは、きっとミニバブルを招く。
それだけならまだやり直せるが、もっと危険な問題もある。
日本そのものが信任を失って国債が暴落するかも知れない。
一度国債価格が下がり始めたら、売りが売りを呼ぶ。
止めるすべはない。
簡単に火がつく火薬のそばで火遊びしているみたいだ。

国債が暴落したらどうしよう?
最近になって真剣に対策を考え出した。
もっと円高の時にドルに替えておけば良かったかも。

ただ、結局、海外に移住でもしない限り、できることは限られる。
所詮は一介の開業医で、やれることは眼科診療しかない。
政治や経済がどうなろうと、真面目に診療を続けるしかあるまい。

(2013.3.4)

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