院長のつぶやき 防犯カメラと目撃証言 2014年9月30日
北九州の連続放火事件では、被害者とされていた女が犯人だったそうだ。
密かに設置した防犯カメラの映像が決め手になったという。
神戸市で小1の女の子が殺害された事件では、
防犯カメラに女児の後ろを歩く容疑者の姿が写っていたという。
万引き犯が防犯カメラのおかげで特定され捕まったというニュースもあった。
女性に抱きついた強制わいせつ犯も防犯カメラの映像で特定されたという。
いずれも、カメラがなければ絶対に捕まらなかったと思われる。
いまや防犯カメラは犯罪捜査の最大のツールとなった感がある。
かつては目撃証言が頼りだった。
だが、人間の記憶は頼りない。昨日のことでもよく覚えていない。
服の色とか身長とか、記憶は曖昧で当てにならない。
しかも、誘導により記憶は変容することが心理学の実験で確かめられている。
祥伝社新書「記憶は嘘をつく」
講談社選書メチエ「嘘をつく記憶-目撃・自白・証言のメカニズム」
警察がしつこく何度も尋ねるうち、警察に迎合した目撃証言が作られる。
そうやって冤罪が起こったと指摘されている。
目撃証言を過度に重視すると、間違いが起こりやすいのだ。
目撃証言に防犯カメラの映像が取って代わったことは良いことだ。
今までは捕まえることが不可能だった犯罪を摘発できる。
あやふやな記憶により冤罪が生まれるのを防ぐことができる。
プライバシーの侵害だと言う人もいる。
しかし、公道を歩く人の映像が、それほど秘密にすべき情報なのか?
治安を守り、犯罪を抑止することは、優先順位の高い事項だ。
道を歩く姿を防犯カメラに撮られるくらいは甘受すべきだ。
私は、安全で安心な街に住みたい。
防犯カメラのさらなる普及を望む。
(2014. 9.30)