院長のつぶやき 増税かインフレか 2014年12月2日
年金・医療・介護などの社会保障費は急速に膨張している。
原因は高齢化で、どんどん支出は増える。避けようがない。
消費税率を最終的に30%まで上げないと社会保障費を賄えないと言われている。
今までは国債を大量発行して収入が少ない分を穴埋めしてきた。
しかしこれ以上国債を発行すると信用不安を招き、大変な事態になりかねない。
ただ、消費税を8%から10%にするだけでも大騒ぎが起こる。
増税の必要性はみんな理解していても、増税を主張した政党は必ず負ける。
だから、選挙になると、みんなが消費税には反対と唱える。
増税反対は、有権者の耳に心地よい魔法の呪文だ。
政治的に、増税はきわめて困難なのだ。
10%まではこぎつけても、それ以上にはできない可能性が高い。
増税しないで、財政赤字を解消する方法はあるのか?
増税できなければ、最終的には禁じ手と呼ばれる日銀引き受けしかなさそうだ。
今の「異次元金融緩和」は結局最後は日銀引き受けに繋がる道だと思う。
そしてこの道を進めば、必ずインフレがやってくる。
それも、半端じゃないハイパーインフレが。
膨れあがった財政赤字は、ハイパーインフレで魔法のように解決する。
借金が何分の1になったりする。政府には都合が良い。
インフレ政策は、増税と違い、政治的にはリスクが少ない。
だから、この予想が現実になる可能性は高いと思っている。
インフレは、実質賃金の目減りであり、増税と同じだ。
低所得者には消費税よりも過酷な負担になると予想される。
例えば年金生活者の打撃は大きい。
増税に反対して結局インフレになるのは、自分の首を絞めるようなものだ。
愚かなのだが、でもたぶんそうなる。
インフレへの対策を今から始めなければなるまい。
現金は目減りする。現金はインフレの直撃を受ける。
何か買えばよいわけだが、何を買えばよいかが難しい。
買ってすぐ価値が下がるものがほとんどだ。
マンションだって車だって、何十年も価値を保てない。
必要なものは買えばよいが、欲しくもないものを買うのは馬鹿げている。
土地とか金とか株などの有価証券に人気が集まりそうだ。
ただ、どれもリスクが高い。価格が変動しやすい。
何か事件が起きれば暴落するかも知れない。会社の倒産とか。
自分自身への投資は、インフレ対策になりうる。
若い人なら、きちんと教育を受けること、資格を取ること。
インフレになっても稼げるようスキルを磨くこと。
技能があれば、どんな世界でも食べていける。
私なら、医師として勉強を怠らず最先端の知識を身につけることか。
事業を興すのも1つの手だ。
ものを売る仕事なら、インフレに応じて値上げができる。
アパート経営なら、インフレに応じて家賃を上げられる。
ただ、そのためには才覚と資本が必要だが。
本当にハイパーインフレが来るなら、早めに対策を取るべきだ。
もちろん、そんな悪夢のような予想は外れるのが一番望ましい。
(2014. 12.2)