院長のつぶやき マクドナルドの異物混入 2015年1月11日
マクドナルドが火だるまになっている。
異物混入が相次いで発覚したからだ。
マスコミは異物混入は「絶対にあってはならないこと」として報道している。
だが、本当にそうなのか。
マクドナルドをつるし上げることは正義なのか。
異物混入は今まであまり報道されることがなかった。
そうすると、一般人の意識としては滅多にないことのように感じられる。
普通はありえないミスだったのなら、非難されてもやむを得ない。
しかし、異物混入など珍しくないという証言もある。
今までも、様々な業種でいくらでも起きていたという。
従来は、大々的に発表することなく、個別に処理されてきたというのだ。
製造工程をテレビで見たが、手作業の部分が相当に多い。
自動化された工場で機械がすべて製造するなら、異物混入の可能性は低い。
手作業で作られるものについて、同じレベルを求めることは無理がある。
作業で使う手袋の破片が混入することは許すべからざることなのか。
問題は、異物混入事故の確率がどのくらいかということだ。
マクドナルドでの異物混入確率は他の食料品に比べて突出した高いのか。
それをきちんと評価しないと、軽々に非難できない。
短期間に集中した報道により、人々に与える印象に大きな影響を与える。
これを報道バイアスと呼ぶ。
中国で尖閣諸島関連の歪んだ大量の報道が反日暴動を引き起こしたのと同じ構図だ。
そして、どの程度のことなら社会が受け入れられるのかが問題だ。
例えば、生野菜なら、泥が付いていても、虫がいても、不思議はない。
長い間、それは当たり前のこととして許容されてきた。
近年、野菜でも泥も虫もいないことが求められるようになった。
ただ、そのために生産者に過重な負担がかかったり、高いコストが生じたりする。
虫をなくすために収穫後に農薬をかけるようなことも行われていると聞く。
過度な要求を控え、新鮮で安ければ十分と考えよう、と提案されている。
私も、野菜については、その通りだと思う。
たぶん、今後、多くの人がマクドナルドを買わなくなるのだろう。
そうすると業績が悪化して採算が取れなくなり、店舗閉鎖に追い込まれる。
私は1年間に1回くらいしか食べないから構わないが、
マクドナルドの店が近所からなくなったら不利益を被る消費者もいるだろう。
それは、消費者が望んでいる結果なのだろうか。
(2015. 1.11)