院長のつぶやき 政治マスコミの三面記事化 2016年5月21日
舛添知事の「流用疑惑」が連日マスコミを賑わせている。
脇が甘いのは間違いあるまい。
ただ、大事な問題がほかにあるだろうに、三面記事がトップにくるのはいかがなものか。
日本の悪しき伝統である「政治家スキャンダル個人攻撃報道」の標的になっただけ。
大正デモクラシーの時代から、あまり変わっていない。
(歴史的に見れば政党政治がつぶされ、軍部が台頭する遠因になった)
個人的な消費を、政治資金だと自分に都合良く解釈してしまった。
趣味のコレクションなのに、政治活動に使う資料だと強弁した。
もともとどこまでが政治資金化はきわめて曖昧だ。
どこで線を引くか、それほど明確な決まりがあるわけでもない。
甘く線引きする誘惑に負けた、ということだろう。
おそらくは、詳しく調べれば、多くの政治家で同様の問題は見つかるはず。
ただ、金額をみれば、それほど大々的に報道すべきこととも思えない。
隠蔽工作がされていない分かりやすいごまかしだったから、すぐばれた。
入念に隠蔽工作がなされた巨額の流用はもっとほかに必ずある。
とんでもない巨額の税金が外見上は正当に支出され、一部の人の懐を潤す。
そういう隠れた巨悪を発掘して欲しいのだが・・・
今のマスコミはそういう手間と金のかかる地道な掘り起こしには消極的だ。
いつ成果が得られるかわからないし、全く成果が得られないこともあるから。
マスコミも経営の観点から、短期的に話題を集め、視聴率をとることしか考えない。
舛添さんが有名人だから、話題にしやすいから、みんなで群がる。
他のマスコミが報じた話題に乗っかって視聴率稼ぎに走るマスコミは、無能だ。
表面的に、テレビやネットが報じるニュースだけに踊らされないようにしたい。
ちょっとカッコ良く言えば、メディア・リテラシーを大事にしたい。
(2016. 5.21)