院長のつぶやき 混合診療禁止は違法 2007年11月8日
混合診療については以前にも取り上げた。(→混合診療の二重基準)
混合診療というのは、保険診療と自費診療を一緒に行うことだ。
混合診療は禁止されていることになっている。
一連の診療行為で一部でも 自費診療の部分があれば、
全部を自費にしなければならないとされている。
ところが混合診療禁止にははっきりした法律上の規定はない。
これはおかしいと訴えた人がいた。
弁護士に軒並み断られたが、 弁護士なしで裁判をしたという。
なんと、一審の東京地裁で勝訴してしまった。(2007.11.7)
判決は混合診療全面解禁を意味し、影響はきわめて広範囲に及ぶ。
混合診療解禁には功罪両面がある。
医師それぞれの創意工夫が可能となり、 できることが増える。
その反面、金のあるなしで受けられる医療内容に差ができる。
これまでも長年にわたり「解禁是か非か」と大議論が続いてきた。
もし、このまま判決が確定すれば、医療制度の大変革となる。
しかし、もちろん、このまま確定することはないだろう。
医師会は混合診療解禁に 猛反対だ。(→混合診療解禁反対の署名運動)
厚生労働省も混合診療禁止を維持するつもりだ。
だから、裁判はおそらく最高裁まで続くと思われる。
この判決は混合診療について考え直す良い機会だと思う。
全面解禁には確かに問題があるかも知れない。
けれでも、混合診療禁止の矛盾はあちこちに噴出しつつある。
がん患者さんなどが実際に困っているのだ。
何とかしなくてはならないし、やり方はいろいろあると思うのだが。
2007.11.8