川本眼科

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院長のつぶやき

院長のつぶやき 専門外の薬 2006年1月16日

ときどき、専門外の病気に対して、薬を出してほしいと頼まれることがある。
例えば、かぜぐすりがほしい、頭痛薬がほしい、湿布がほしい・・・

厳密に考えれば、日常ありふれた病気のように見えても、
実はなにか大きな病気が隠れていることもある。
だから、一見大したことがないようでも、きちんと専門医にかかったほうが
間違いは少ない。そうはいっても、大半が数日で軽快するような病気なら、
あんまり杓子定規に対応するのも不親切というものだろう。

患者さんの気持ちも、わからなくはない。誰だって待たされるのは
嫌に決まっている。川本眼科でも、1時間待ちくらいのことはざらにある。
よそのクリニックにかかって、同じように待たされればうんざりするのも当然だ。
それに、2つの科にかかれば初診料・再診料だって倍かかる。

それほど問題がないと判断すれば、「調子が悪ければ早めに
専門のところにかかって下さい」と指示をしたうえで、
薬を処方することが多い。これも患者サービスとして必要なことだと思う。

ただし、どんな薬でもお出しするわけではない。私なりに基準を決めて、
それから外れるものはお断りしている。
たいていの患者さんは処方できない理由をお話しすれば
わかっていただけるのだが、時にすごくねばられて困ることがある。

患者さんは、内科で前に出た薬と同じならかまわないだろう、
と考えて同じ薬の処方を要求する。
だが、ステロイドのような副作用の強い薬、血糖を下げる
薬のように量の加減が難しい薬は、安易には処方できない。
病状によって増量したり減量したりすることが必要になるし、
時には薬の種類を変更することも必要になる。
また、最初にたてた治療計画がどうなっているのかも
考慮しなければならない。前回と同じならよいとは必ずしも言えない。
主治医でもないのに勝手に薬を出せば、主治医の治療計画、
検査計画を邪魔することになりかねない。
それに、薬だけのんでいればよいわけではなく、時々は検査だって必要だ。

患者さんからは、睡眠薬を要求されることもある。これも、本来眼科で
出す薬ではないだろう。それでも、ほかにはどこの科にも
かかっていないのなら、対応せざるを得ないこともある。
この場合、よその医療機関から睡眠薬をもらっている時は
処方をお断りしている。やはり依存の問題があって、
どうしてもだんだん量が増えがちだ。
複数の医療機関で処方していると、量の歯止めがきかなくなる。
1つの医療機関が責任をもって管理をするべきだと考える。

そもそも餅は餅屋で、内科の問題は内科、整形外科の問題は
整形外科に依頼するのが筋だろう。

いくら頼まれてもうんとは言えない場合があることは
理解していただきたいと思う。

院長のつぶやき

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