川本眼科

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院長のつぶやき

院長のつぶやき専門外の薬

ときどき、専門外の病気に対して、薬を出してほしいと頼まれることがある。
例えば、かぜぐすりがほしい、頭痛薬がほしい、湿布がほしい・・・

厳密に考えれば、日常ありふれた病気のように見えても、
実はなにか大きな病気が隠れていることもある。
だから、一見大したことがないようでも、きちんと専門医にかかったほうが
間違いは少ない。そうはいっても、大半が数日で軽快するような病気なら、
あんまり杓子定規に対応するのも不親切というものだろう。

患者さんの気持ちも、わからなくはない。誰だって待たされるのは
嫌に決まっている。川本眼科でも、1時間待ちくらいのことはざらにある。
よそのクリニックにかかって、同じように待たされればうんざりするのも当然だ。
それに、2つの科にかかれば初診料・再診料だって倍かかる。

それほど問題がないと判断すれば、「調子が悪ければ早めに
専門のところにかかって下さい」と指示をしたうえで、
薬を処方することが多い。これも患者サービスとして必要なことだと思う。

ただし、どんな薬でもお出しするわけではない。私なりに基準を決めて、
それから外れるものはお断りしている。
たいていの患者さんは処方できない理由をお話しすれば
わかっていただけるのだが、時にすごくねばられて困ることがある。

患者さんは、内科で前に出た薬と同じならかまわないだろう、
と考えて同じ薬の処方を要求する。
だが、ステロイドのような副作用の強い薬、血糖を下げる
薬のように量の加減が難しい薬は、安易には処方できない。
病状によって増量したり減量したりすることが必要になるし、
時には薬の種類を変更することも必要になる。
また、最初にたてた治療計画がどうなっているのかも
考慮しなければならない。前回と同じならよいとは必ずしも言えない。
主治医でもないのに勝手に薬を出せば、主治医の治療計画、
検査計画を邪魔することになりかねない。
それに、薬だけのんでいればよいわけではなく、時々は検査だって必要だ。

患者さんからは、睡眠薬を要求されることもある。これも、本来眼科で
出す薬ではないだろう。それでも、ほかにはどこの科にも
かかっていないのなら、対応せざるを得ないこともある。
この場合、よその医療機関から睡眠薬をもらっている時は
処方をお断りしている。やはり依存の問題があって、
どうしてもだんだん量が増えがちだ。
複数の医療機関で処方していると、量の歯止めがきかなくなる。
1つの医療機関が責任をもって管理をするべきだと考える。

そもそも餅は餅屋で、内科の問題は内科、整形外科の問題は
整形外科に依頼するのが筋だろう。

いくら頼まれてもうんとは言えない場合があることは
理解していただきたいと思う。

院長のつぶやきめがねのフレーム

メガネは、顔の印象を左右することもあって、はやりすたりがおこりやすい。
最近は、細長いフレームが流行している。「冬のソナタ」でペ・ヨンジュン
(ヨン様)が細長いメガネをかけていたせいだろうか。
若い人気タレントがみんな細長いフレームのメガネを
かけているのも影響しているだろう。

流行自体は別にかまわない。細いフレームが好きな人が増えれば、
細いフレームが多くなるのもしかたないと思う。レンズが小ぶりになるので
メガネが軽くなるという実際的な効用もある。

問題は、ほとんどすべてのフレームが細いものになってしまって、
大きめのフレームを欲しい人が困っていることにある。
この状況は一時的かと思っていたが、ずいぶん長く続いているようだ。

とくに困るのが遠近両用(境目のないタイプ)を使う人の場合だ。
遠近両用メガネ(累進焦点)では、遠方~近方の度が上から下に
連続的に変化していくようになっている。したがって、ある程度上下の
幅がないと、設計上無理がおこりやすい。一応幅が細くても遠近に
できないことはないのだが、どうしても使い勝手が悪くなりやすい。
細いフレームを選んで失敗した人は結構多いのだ。うまく使いこなせなくて
タンスのこやしになってしまったという話もよく聞く。

商売だけを考えれば、売れ筋の細いフレームばかり並べるのが
理にかなっているのかも知れない。しかし、眼鏡店にも社会的責任と
いうものがあるはずだ。たとえ売れ筋でなくても、いろいろな人のニーズに
応えて、多種多様なフレームを提供するのが当然ではないだろうか。

院長のつぶやき患者負担増と医療費総枠制に反対する署名運動

医師会がまた署名運動を始めた。
今度は、患者負担増と医療費総枠管理制度に反対する運動だ。
・高齢者負担を1割から2~3割に増やすことに反対
・高額医療の自己負担限度額引き上げに反対
・保険免責制(千円くらいまでは自費にして軽い病気で
医者にかかりにくくする制度)の導入に反対
・医療費総枠管理制度(高齢者が増えれば医療費も増えるのが当然なのに
医療費総額に枠をはめて強引に削減する制度)に反対
http://www.med.or.jp/kaihoken/2005/index.html

私も、これらの主張は当然だと思う。
そこで、今回の署名運動には積極的に協力することにした。

ところが、いざ署名用紙をみて困惑した。
「国民皆保険制度を守る署名運動」になっている。これは、前回、混合診療
に反対する署名運動の時にも使った文句だ。(バックナンバー参照)
私は、混合診療を否定することでかえって医療にひずみが出ていると
考えているので、前回の署名には協力しなかった。そして、その署名運動を
「国民皆保険制度を守る署名運動」と呼ぶことを批判した。

今回の署名運動は、前回とは全く意味合いの異なるものだと思う。
それを同じ名称で呼ぶのはいかがなものか。
ちょっとおかしいのではないか。
医師会のお偉方は、なんだか、表題だけ口当たりの良いものにして、
中身は知らせる必要がないと考えているような気がする。

いろいろ考えた末、私は、内容をわかりやすく伝えるため、
「患者負担増と医療費総枠制に反対する署名運動」として
患者さんに署名していただくことにした。
今のところ順調に署名は集まっている。
ただ、私の診療所で集めた署名が結局「国民皆保険を守る署名」として
使われることには複雑な思いを禁じ得ない。

院長のつぶやき医師の指名

川本眼科は2診制だ。いつも2人の医師で診察する。
たいていは私と家内の2人だ。ただ、土曜日は家内はお休みなので、
中京病院に応援医師を頼む。
そのほか、学会などで不在の時も中京病院に応援医師を頼む。

別に担当医制にはしていないから、毎回診る医師は異なる。
別にそれで構わないという患者さんも多い。
ただ、医師が2人いれば、患者さんのほうもこっちの先生がいい、
あっちの先生がいい、という好みが出てくるのは自然の流れだ。
また、ずっと同じ医師に診てもらいたいという希望も結構あるようだ。
そこで、患者さんの希望があれば医師を指名できるようにしている。

どちらかと言えば院長の私を指名してくる患者さんが多いが、
家内のほうが話がしやすいという患者さんもある。
最近は女医さん希望というケースもあるようだ。
また、中京病院の先生を指名するケースもある。

希望者は指名ができる方式は概ね好評のようだが、困った問題もある。
指名が一方に集中したときなど、
待ち時間が極端に長くなってしまうことがあるのだ。
重大な病気の初診などでは十分説明する必要があるから、
そういう患者さんが重なるとなかなか順番が進まない。
2人の医師の進み具合に大差ができてしまい、
「後から来た人がどんどん先に診てもらっているのにおかしい」
という苦情が必ず出るのだ。スタッフが一生懸命説明するのだが、
なかなかわかってもらえないこともある。
また、川本眼科では、ものもらいなどの外来手術やレーザー治療などは
なるべくその場ですることにしている。
別の日に出直すのでは患者さんも大変だからだ。
これは2診制だからこそ可能なことだと言える。
ところが、医師を指名するとそういう処置が終わるまで
待たなければならない。

このように、指名も良い点悪い点の両方があることはご理解いただきたい。
私のお勧めは、ふだんは指名にせず、何か問題があったとき、
今日は詳しく説明を聞きたいときだけ指名することだ。これなら、
待ち時間の問題をできるだけ避けながら指名制のメリットを
享受できると思うのだがいかがだろうか。
もっとも、「時間はたっぷりあるから待つのは苦にならない、
やっぱり同じ医師にずっと診てもらいたい」ということならしかたがないが・・

院長のつぶやきEメールでの医療相談

ときどき、Eメールで医療相談をいただく。申し訳ないが、原則として
Eメールでの医療相談はお受けしていない。これは、以前インターネットで
医療相談をやっていたときの経験から、実際に診察しないと
必要な情報が得られず、かえって相談者に誤解を生む危険性が高いと
考えているからだ。

診察すれば簡単にわかることが、メールではわからない。
年齢や性などの重要な情報もわからない。視力もわからない。相談者の
自覚症状が具体的にどんな所見と結びついているかもわからない。
だから、メールに記載された不確実な情報をもとに、
いろいろ推理しなければならない。どうしても、こういう場合はこう、
ああいう場合はこう、と限定付きの回答にならざるを得ない。あるいは、
一般論としての回答にならざるを得ない。ところが、相談する側は
限定付きという点を無視する。あるいは、一般論として述べたことを、
自分の場合にも無条件にあてはまると考える。その回答を前提に次の
質問をする。だんだん事実とは大きくはずれて迷宮に入り込んでしまう。
「もし」に「もし」を重ねれば、どんなことでも想像できる。
架空の病気についての質疑応答をしていることになりかねない。

インターネットで医療相談をやっていて、限界があることを痛感した。
こんなことは余計な回り道で、きちんと診察を受けることを勧めたほうがよい
というのが私の結論だった。2年くらい医療相談の回答者を続けたが、
結局失望してやめた。

もちろん、今受診している医師の診療内容に納得がいかないことも
あるだろう。そういう時も、メールやインターネットで相談するのはあまり
益がない。別の医師に実際に受診して、セカンドオピニオンを求めるのが
正解だと思う。

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