川本眼科

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院長のつぶやき

院長のつぶやき横書きの手紙で相手の名前をどこに置くか

先日、大学の後輩からアンケートの手紙が来た。
私の名前が末尾になっていたので、たしなめたところ、反論が来た。
ネット上にそういう文例があるというのだ。
「横書きでは相手の名前を冒頭に置くと決めつけるのはおかしい」という。
35歳ほど年上の私に反論するのはなかなか骨のあるヤツだと思った。
変なオヤジが変な意見を言う、と思われたのかも知れない。

この問題はなかなか面白い問題を含んでいる。
実は、私自身が学生時代にどう書くべきか悩んだ覚えがあるのだ。

もともと、日本語で手紙を書くときは縦書きが当たり前だった。
そして、縦書きの場合には確立された書式があった。
本文の後に、日付、自分の名前、相手の名前の順に書く。
このとき、自分の名前は下の方に、相手の名前は上の方に書く。

学生の時の私はこれをそのまま横書きに直そうとした。
ところが、そうすると、自分の名前の下に相手の名前が来てしまう。

縦書きの手紙書式には、前提となっている規範意識がある。
相手を立て、自分はへりくだる、という考え方だ。
それを名前を書く位置の上下で示しているのだ。
だから、相手の名前を末尾に置くことにはものすごく違和感があった。

横書きでは手紙をどう書くか、私が学生の頃にはまだ決まりはなかった。
そもそも、正式な手紙はやはり縦書きで書くものとされていた。
(というか、今でもそう考える人が多い)
結局、私は、英文の手紙書式を参考にした。
手紙の冒頭に相手の名前を置いたのだ。
日付は本文の後に持ってきた。自分の名前は末尾。
拝啓や敬具など頭語・結語は付けなかった。

その後、多くの人が試行錯誤を重ねた。
最初の頃は縦書きの順序を踏襲した人も多かった。
その後、徐々に英文書式に近い形が増えていった。
今では、「冒頭に相手の名前、末尾に自分の名前」がほぼ定着した。

少なくとも、いま私の周囲で相手の名前を末尾に書く人はいない。
そして、多くの人が相手の名前を末尾に置くのは失礼だと感じている。
確かに、横書きではそういう規範はない、と考える人もいる。
ただ、それは少数派だと思う。
(ネットではリアル社会で多数派か少数派かはわからない)
そして、失礼かどうかは感情の問題だから、理屈では片付かない。

既に自分なりの手紙の書き方を身につけた中高年はそのままでよかろう。
でも、これから世間の荒波を渡っていかなければならない若い人には、
なるべく社会生活での軋轢を少なくするために、
「横書きの手紙では、相手の名前を冒頭に置く」
をお勧めする。

(2012. 10.20)

院長のつぶやき山中教授にノーベル賞

iPS細胞を作り出した山中教授にノーベル賞が贈られる。
素晴らしい! 日本人として誇りに思う。
下品で醜悪な領土争いや政治家たちの権力闘争に嫌気がさしていた中、
本当に久々に痛快なニュースだった。

ただ、山中教授が眼科の学会で講演された時の話が気にかかる。
日本の研究者は米国よりはるかに劣悪な条件で研究している。
そもそも研究費の額が違う。
さらに知的財産権を守るため仕組みが整っていない。専任スタッフさえいない。

科学技術分野での研究は将来への投資だ。
この分野で成果を出し、知的財産を増やす以外に日本が生き残る道はない。
人口では中国・インドに勝てるわけがない。
資源ではロシアや中国に勝てるわけがない。
だから、科学者を増やし、研究環境を整えることは最重要課題のはず。

ところが、国は研究に金を出すことを渋る。
研究費も少ない。それ以上に必要なスタッフの人件費が出ない。
事業仕分けなどと言ってその研究費をさらに削ろうとする。
スーパーコンピューターの開発で各国としのぎを削っているときに
「世界一になる必要があるんですか」と言ってのけた政治家もいた。
こういう人を説得することに時間を取られる日本の研究者は不幸だ。

研究者になっても身分が不安定で収入が少ない現状もひどい。
理系の大学院を出ても就職先にも困る始末。
安心して研究者になることができないではないか。

国のやることは、選挙目当てでお金を薄く広くばらまくことではない。
国の未来を見すえて、必要な分野に集中投資することだ。
そのためには、4年くらいは政権が安定している必要あるのだが・・
毎年首相が代わるのではダメだ。

今ノーベル賞受賞者が輩出するのは過去の遺産だ。
このままでは遺産を食いつぶし、ノーベル賞も取れなくなる。
科学技術での日本の優位が揺らげば国の地位も沈下は免れない。
未来のために、もっと教育を重視し、科学者を優遇してほしい。
(2012.10.5)

院長のつぶやきやっぱり原発が最大の関心事

毎日、次から次へとニュースが続く。
世間の関心も移ろいやすい。
今なら、領土問題とかオスプレイとかか。

マスコミの影響力は大きい。
記事で露出される割合で重要な問題と思ってしまうのは人の常だ。
無意識のうちに影響されているので、普段はその事実には気づかない。
だから、時々は頭を冷やして、テレビやネットから離れて、何が重要かを考える必要がある。

オスプレイが墜落したら大変な事だ。住宅密集地に墜落することを想像すると、確かにとても心配だ。
でも、それは惨事であることに間違いはないが、1地方の1事件にとどまる。収拾可能な事態だ。

領土問題はどうだろう。経済的な利害も伴うし、国民としてのプライドに関わる大問題ではある。
でも、今問題になっている島を全部放棄したとしても、日本がつぶれるようなことはない。

原発問題はそれとは次元が異なる。
いったん、原発事故が起きれば、影響は他の問題とは比較にならないくらい大きい。
浜岡原発がメルトダウンし、内部の放射性物質の大半が環境に放出されたと仮定しよう。
東京も名古屋ももう住めない。原爆とは比べものにならないほど高濃度の放射能汚染が都市を襲う。
経済的にも二度と立ち直ることができない。
日本そのものが崩壊してしまう。

原発事故が起こる確率は高くはない。しかし、決してゼロにはできない。
考え得るすべての事態に対処などできるはずがない。
例えば、燃料を満載した旅客機が原発に突っ込んだら・・
よく訓練されたテロリストが緻密な計画を立てれば不可能とは言い切れまい。
「想定外」は必ず残る。事故の確率を正確に見積もることなど不可能だ。
私の勘では、50基の原発が50年稼働すると1つの大事故が起こるくらいではないか。

私自身は電気代が2倍、3倍になっても原発をなくしてもらいたいが、すべての人が同じようには考えないだろう。
(原発の安さは後世にツケを回すことで初めて成り立つ、欺瞞的で非倫理的なものだけど)
既に稼働していた原発には大量の放射性廃棄物が溜め込まれている。どうせ後世にはツケが回る。
今止めても廃炉にするには巨額の金がかかる。
本来作るべきではなかったが、作ってしまった以上、使わないと元が取れない。
事故の確率が上記の程度なら、既存の原発を利用するのは許容できる範囲かも知れない。

それでも、原発は新設しない、将来はゼロにする、という基本は譲れない。
「今、一番大事なことは何か」を忘れないようにしたい。

1年以内に衆議院議員選挙がある。
医師会からの投票依頼も来るだろう。維新の会がブームになって躍進するかも知れない。
でも、そういうことで投票を決めることはもう止めようと思う。
一番大事なこと=原発への態度を最も重視して投票するつもりだ。
(小選挙区制ではそれが難しいのだが。個別の問題に対する民意を反映しやすい完全比例代表制にしてほしい)
(2012. 9.21)

院長のつぶやき病欠

9月11日にカミさん(副院長)が体調を崩し、私1人になった。
その折にはご迷惑をおかけした。
当院までみえたのに掲示を見て診療を受けずに帰られた方もあったようだ。
ご協力ありがとうございました。

幸い、大したことはなく、翌日には診療に復帰できた。
医者の代わりはなかなかいないから困る。
あらかじめわかっているときは中京病院の眼科に代診を頼むのだが、急では難しい。
だから、風邪や頭痛くらいでは休めない。
体がだるいときに辛抱強く患者さんの話を聞くことは難しい。
そんな時はちょっと機嫌が悪そうにみえるかも知れない。申し訳ない。

医師以外なら1人休んでも大丈夫なようにはしてある。2人でもなんとか。
3人休まれるとさすがに緊急事態である。
対応としては断れる予約はとにかく断って別の日にしてもらう。
「別の日」が混み合うかも知れないが、仕方ない。
中京グループに泣きついて視能訓練士を派遣してもらうという手も使う。
ただ、人手がないと断られることもある。そうなるとピンチ。

実は9月24日(月)、25日(火)は3人休むことが確定している。
中京グループにも人手がなくて応援はなし。
しかも、前の週には祝日が2日もあるのでただでさえ混みそうな日だ。

対策としては、まず予約のキャンセル。これでかなり減る。
それに加え、今回は元スタッフに声をかけた。
何とか助けてもらえないか頼み込んで、ようやく2人確保。
ただ、勤めていたのが何年も前だから、やり方が変わっている。
立ち往生やミスが出ないか心配だ。

いろいろ行き届かない点があると思いますが、どうかご容赦下さい。
(2012.9.17)

院長のつぶやきアップルが音楽配信でDRMを外した

つい最近appleが音楽配信でDRMを外したことを知った。
今年の2月22日からだそうだ。
若い人たちとっくに知っていたのだろう。こちらはその手の情報には疎い。
英断だと思う。実はDRMにはほとほと困っていた。

DRMというのは著作権保護のためにコピーできないようにする仕組みだ。
ただ、このために、購入した音楽がiPodだけでしか聞けない。
個人として楽しむだけなのに、スマホやウォークマンでは聞けないわけだ。
同じ曲を何度も買えっていうこと?勘弁して欲しい。
CDを買ったときにはそんな制限はないのに。

DRMのために、iTunesで音楽を買う気が失せる。
データがいつまでも使える保証がないから。
10年後にも同じ機械を使っているかわからないではないか。

カミさんが携帯電話でダウンロードした曲の大半は、機種変更のときに聞けなくなった。
カミさんはすごく怒っていた。結構たくさんの曲を買っていたから。大損害だ。
数年で聞けなくなる音楽を有料で買う気にはならないのが普通。

appleは渋る音楽会社を説得してDRMを外したらしい。拍手。

ただ、実は著作権保護のための仕組みは残っているのだそうだ。
配信される曲には購入した人の apple IDが埋め込まれている。
不特定多数に大量に配布したりすれば、元々誰が購入したのかわかるわけだ。
著作権法を守り、個人の楽しむ範囲でなら何の問題もない。
こういう著作権保護対策なら、大歓迎だ。
(2012.9.17)

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