川本眼科

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院長のつぶやき

院長のつぶやき 専門医と総合医 2010年7月25日

医療の世界は専門分化が進む一方だ。

眼科をやっていると他科の最近のトピックスにはついていけない。

逆もまた然りだろう。内科の医師は眼科の話題はわかるまい。

眼科の中でも、角膜専門、緑内障専門、網膜専門、斜視弱視専門などと分かれる。

専門外のことでも眼科の領域に関しては必死で勉強して知識を身につける努力はする。

それでも最先端のことはついていけなくなっている。

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一方で医師として一通りのことはできるように、という要請もある。

医師なら誰でも知っているべきことがある。確かにそれは正しい。

私は救急の講習に参加したり、内科系の糖尿病講演会も聴きに行ったりしている。

ただ、焼け石に水の感もある。医学知識はどんどん増えて膨大になりすぎた。

「最低限の知識」と言ったってその範囲はきわめて曖昧だ。

大多数の眼科医は、専門領域の学会だってごく一部しか出席できない。

まして内科や他科の講演会に出席して勉強することなど不可能に近い。

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眼科医が病院の全科当直をやらされているケースは多い。

当直免除になる医師がいればそれだけ当直負担が重くなる。

私も勤務医時代にやったことがある。「医師ならできるだろう」と。

ただ、腹痛だの喘息発作だの骨折だのを眼科医が診るのって無理がある。

実際には事務が「今日の当直は眼科なので・・」とほとんど断っていた。

英語の教師が「教師ならできるだろう」と数学の授業に駆り出された感じだ。

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最近は医師会が内科系主体の「生涯教育」を始めた。

全医師が受けろということなのだけれど・・・

「胸痛」「嚥下困難」「肛門部痛」「多尿」等84項目。

そりゃあ知らないより知っていたほうがよいとは思うが眼科ではまず遭遇しない。

眼科専門医制度と医師会生涯教育は全然別の方向。

両方を全員に強制するのはさすがに無理があると思うが。

(2010.7.25)

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