院長のつぶやき 医療通訳 2017年12月17日
今日は久しぶりの書き込み。
しばらく更新を怠っていた。
筆無精で申し訳ない。
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今日は医療通訳のシンポジウムを聴きに行ってきた。
川本眼科にも、たまに外国人の方がみえる。
英語も得意ではないので、片言でのやり取り。
医療関係の専門用語なら、一応、英語で知っている。
診断名とかは書いてみせる。発音には自信がないからね。
説明も図示が中心。単語を並べてすます。
病名とか、薬の使い方とか、最低限のことは伝えられる。
これでなんとかやってきた。
中国人やブラジル人になると、片言も無理。
たいていは、日本語が話せる知人が付き添ってくる。
付き添いの人に説明をして済ます。
しかし、これではコミュニケーションは不十分だ。
患者さんの不安な気持ちに応えることもできていない。
もし日本人だったら、もっと詳細に説明をする。
当然、疑問や質問にも答える。
外国人は十分な説明を受けることすらままならない。
医療通訳は、この言葉の壁を取り除く。
愛知県では2011年から半官半民で事業が始まった。
なるほど、外国人患者の立場に立てば、通訳は必要だ。
日本語のできる知人ではなく、専門の医療通訳が。
医療通訳が必要という主張はうなづける。
ただ、問題も多い。
医療通訳の派遣には事前の依頼が必要だ。
つまり初診時には頼めない。
再診の予約をして、それに合わせて通訳を派遣してもらう。
眼科の病気だと、頻繁に受診することは少ない。
初診だけで終わってしまうことも多い。
かといって、説明のためだけに再受診させるのも難しい。
費用の問題もある。
1回に数千円の費用。
愛知県では患者と医師が半々で負担するきまり。
患者さんのほうがその負担を承諾してくれるか?
かなり経済状況が厳しい人もいる。
公費で援助してもらえると助かるのだが。
医療通訳を頼んだのに患者が来ないこともありうる。
外国人だとその可能性はかなり高い。
その場合の費用負担はさらに悩ましい。
やはり、医療通訳を依頼するのは限られる。
本人が費用負担を承諾すること。
ある程度重い疾患で、詳しい説明を要すること。
継続して通院が必要なこと。
それでも、今までよりは積極的に依頼しようと思う。
(2017.12.17)