院長のつぶやき医師会候補の落選
参議院選挙で医師会候補は3人いて、全員落選した。
候補を一本化できなかった時点でこの結果は予想されていた。
比例代表候補の当選は、個人名での投票数で決まる。
今回、民主党でも自民党でも、個人名投票が11万票あれば当選できた。
3人で17万票集めたのだから一本化していれば当選していたはず。
医師会会長は親民主党、しかし他の執行役員の多くは親自民党。
分裂したせいで組織的な選挙活動もほとんど行われなかったようだ。
いつもならポスターを貼ってくれとか要請があるのだが、今回はなし。
3年前には19万票弱集めた。たぶん17~19万票が医師会の実力か。
医師数が27万人くらいで、政治的意見も様々だからこんなものか。
看護師や従業員が医師会候補に投票することも減っているのだと思う。
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3年前まで医師会が擁立した国会議員は2人いた。
前回の参議院選挙で武見議員は落選、今回西島議員が落選。
これで誰もいなくなった。(医師出身の議員はかなりいる)
医師会の考えを政治に反映させ、予算をつけることは困難になった。
もちろん、医師は診療することが本分。私自身は政治とは距離を置いてきた。
でも、こうなるとさすがに必要な医療費まで削られるのではないかと心配だ。
(2020.7.12)
院長のつぶやき「ホメオパシー」に騙されないで
以前、患者さんから「ホメオパシー」について質問を受けた。
その時にはよく知らなかったが、最近、医師の間で問題になっていることを知った。
どんなものかは Wikipedia で「ホメオパシー」と検索してほしい。
エセ医学と断定して構わないと思う。
科学的裏付けがない。エビデンスが全くない。科学の常識にも反する。
治療に使われるレメディなる砂糖玉にはプラセボ効果しか認められない。
薬の代わりになると信じて使うと大変危険だ。訴訟になったケースもあるらしい。
インターネットで薬効を主張して効能をうたっているけれど、
もちろんきちんとした臨床試験で薬効を証明した薬ではない。
明らかに薬事法違反だと思われる。
似たような話は多くてたいてい無視するのだけれど、結構勢力が大きいようだ。
現代医療への不信をあおって商売しようとする手口はエセ医学の常套手段。
だまされる人が多くなると社会的に問題となる。
くれぐれも騙されないよう、気をつけて!
(2010.7.11)
院長のつぶやき増税を言い出すと選挙は負ける
明日は参議院選挙。菅首相が消費税増税に言及した途端支持率急落。
税収37兆円で支出が92兆円、新たな借金44兆円ではやっていけないのは当然。
逆に増税なしでやれると言っている人は嘘つき。嘘つき政治家がたくさんいる。
嘘をつかないと選挙に勝てないっていうのも何だかなあ・・・
世論や民意は近視眼的で、結局自分自身の目先の利益しか考えていないんだな・・・
マスコミも大衆迎合だし。
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民主党は過半数が取れず、ねじれ国会必至らしい。
これで、政治の停滞は避けられず、物事が進まない状況が続くわけか。
それとも小政党がキャスティングボードを握って引っかき回す?
選挙で大して票を取れなかった政党が大きな顔をするのはどんなものか。
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最近は二院制の欠点ばかり目につく。
政治にスピードが求められる時代にそぐわない。
とりあえず選挙に勝った政党に任せて仕事ができるようにしないと。
「二院が同じ意見なら二院は不要だし、違う意見なら混乱の元になるだけ」
国会議員の既得権の問題なら数はそのままで統合してしまえばよい。
それに何百億円もかかる選挙をしょっちゅうやるのも無駄な気がする。
今度の選挙の予算は約500億円。これを毎年のようにやられてはかなわんなあ。
(2010.7.10)
院長のつぶやき子宮頚癌のワクチンに賛否
今年1月の川本眼科だよりでサーバリックスという子宮頚癌のワクチンをご紹介した。
がんをワクチンで防ぐというアイデアは画期的だと思った。
しかし、最近、産婦人科医の間でこのワクチンに批判が出ている。
「このワクチンは子宮頚癌の一部にしか効かない。誇大広告だ。」
「ワクチンを打った人ががん検診を受けなくてよいと誤解する。」
「ワクチンに血税を使うよりもっと優先順位の高い医療問題がある。」
なるほどもっともな面もある。
けれども、がん死が少しでも減れば結構なことで、反対の理由としては弱い。
患者さんの誤解は何にでもつきもの。誤解を防ぐ努力をするしかない。
一般の人に知らせるため、人目を引くキャンペーンはやっぱり必要不可欠だ。
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反対にはどうも経済的理由がからんでいるようだ。
ワクチンメーカーばかりが儲け、産婦人科医に経済的メリットがないのだ。
しかも、産婦人科だけでなく、内科医や小児科医でも打てる。
もし集団接種になれば産婦人科医の出番はほとんどないかも知れない。
婦人科検診受診率が下がって収入源になる可能性も心配されている。
私は、このワクチンのキャンペーンに便乗すれば、世間の関心を呼ぶことができ、
むしろ子宮頚癌の検診受診率を上げることができると思うのだが。
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子宮頚癌の検診受診率を100%近くまで上げればがん死はほとんど防げる。
それはその通りなのだけれど、今まで努力しても検診受診率は上がらなかったのだ。
今までできなかったことが急にできるようになるとは思えない。
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まあ、一部産婦人科医の批判はワクチンの有効性を否定するものではない。
お金の使い道に関する議論に過ぎない。
若い女性の立場に立てば打っておいたほうがよいと私は信じている。
少なくとも、自分の娘は公費負担を待たず既に接種を済ませた。
(2010.7.7)
院長のつぶやき高速道路を無料にして増税?
高速道路無料化の社会実験とやらが始まった。
もちろん、無料になるのはよいことだ。高速道路を使う人は助かる。
しかし、無料にする財源はどこにあるのか?
収入が減った分は最終的には税金でまかなうしかない。
財政が豊かでお金が余っているなら構わないだろう。
現実には赤字財政が続き、いずれ増税が必至の情勢。
ということは、増税してその分を高速道路を使う人に回してあげるということ。
これって、はたして公平で正しい政策なのだろうか?
やはり、受益者負担が原則ではないのか?
所得の再分配がある程度必要なことは理解できる。
でも、高速道路を使う人たちを、再分配を受ける弱者とは言えまい。
お金の使い方が間違っている。
一方でばらまきをやり、一方で増税するのはやめてほしい。
無駄遣いをやめればいくらでもお金がわいてくるというのは大嘘だった。
私は多少の増税は仕方ないと思っているが、
ばらまきのために税金が湯水のように使われることは納得できない。
(20106.28)