院長のつぶやき井山裕太の七冠達成
囲碁棋士の井山裕太氏が、囲碁の7大タイトルを独占した。
棋聖、名人、本因坊、王座、天元、碁聖、十段。
1年余にわたり、最強棋士達と真剣勝負で勝ち続けることが必要。
少しでもスランプの期間があれば達成できない。
本当に、奇跡に近い。
私にとってはオリンピックの金メダルより凄い大ニュース。
新聞第一面に大見出しのトップニュースとして載せたい。
井山氏の偉業を称える。
(2016. 4.20)
院長のつぶやき猫八師匠の訃報
江戸家猫八師匠がお亡くなりになった。66歳
動物の鳴き真似を芸とする名跡の4代目。
さすがプロとうならせる見事な芸だった。
文化庁芸術祭優秀賞も受賞されている。
実は猫八師匠には28年前に結婚式の司会をしていただいた。
当時は先代も元気で、江戸家小猫を名乗っておられた。
その際にも鳴き真似芸を披露していただいた。素晴らしかった。
最後はめでたくて縁起が良いとされる丹頂鶴の一鳴きで締めて下さった。
四半世紀の時が流れ、一昨年、川本眼科20周年パーティを開いた。
その時の目玉として招聘したのが猫八師匠。
無理を承知でお願いしてみたら快く引き受けて下さった。
気さくに皆さんとの写真撮影にも応じて下さった。
25周年パーティへの出席もお願いしてあったのだが・・・
叶わぬ夢となってしまった。
師匠のご冥福をお祈り申し上げます。
(2016.4.5)
院長のつぶやき水素水ブーム
水素水なるものがブームだそうだ。
ちょっと気になって調べてみたが、どうも胡散臭い。
現時点で、明確なエビデンスはなさそうだ。
様々な商品が出ているようだが、効果はきわめて疑わしい。
薬の場合と比較して考えてみよう。
水素水は、薬になり得る候補としてリストアップされた程度の段階。
これから、安全性、効果、副作用を調べる必要がある。
薬の場合、そのために長期間の厳密な臨床試験を行う。
10年以上かかることが普通だ。
有望視された薬候補でも、検証に耐えきれず、多くは開発が頓挫する。
初めは分からなかった致命的な欠点が露呈するからだ。
初期段階で検討された化合物の3万分の1しか薬にならない。
ヒトでの臨床試験にこぎつけるのはごくわずか。
臨床試験をはじめた薬候補でも、そのうち8%しか薬にならない。
水素水は、まだ海のものとも山のものとも付かない段階の候補薬でしかない。
それを使うのは人体実験みたいなもの。
ありがたがって、金を払うだけの価値があるとは思えない。
何の効果もない可能性は高いし、副作用があるかも知れない。
水素水の効果は活性酸素を消去する「抗酸化作用」だと考えられている。
しかし、体内での水素の動態や排出など不明点が多い。
これから研究してみようという段階でしかない。
抗酸化作用なら、効果が既に明確に証明された物質がたくさんある。
ビタミンC、ビタミンE、βカロテン。
ポリフェノール、リコピン、カテキン。
こういう物質にはエビデンスがたくさんある。折り紙付きなのだ。
訳の分からない代物に手を出すより、効能が確実なこちらをお勧めする。
水素水をのむより、コーヒーや緑茶をのむほうが健康に良いと思う。
ビタミンのサプリも、積極的には勧めないが、水素水よりすっとましだ。
(2016. 4.01)
院長のつぶやき囲碁でもコンピュータが人間に勝つ
コンピュータと囲碁棋士が碁を打ち、コンピュータの4勝1敗で終わった。
正直なところ、衝撃だった。
囲碁棋士は世界戦で何度も優勝した経歴の持ち主、韓国のイ・セドル氏。
世界で最も強い棋士の1人であることは間違いない。
コンピュータはついにここまで進歩したのか・・・
コンピュータは「アルファ碁」というAI(人工知能)
DeepMindという会社が開発し、Googleが会社ごと4億ドルで買収した。
驚くべきはその強くなる方法だ。
今まで、AIのゲーム戦略は「全指し手をすべてチェック」だった。
チェスや将棋ではこの方法が有効だった。
力任せに全ての局面を読み切る。
どんな馬鹿な手でもあらゆる可能性をしらみつぶしに調べる。
計算速度がとてつもなく速いからこそ実現できたアプローチ。
指す手が少ないゲームでは、人間をたちまち凌駕した。
最初はオセロ、それからチェス、将棋。
今ではトッププロでもコンピュータにはかなわない。
囲碁ではこの戦略は無理だと言われていた。
可能な指し手の数が多すぎ、コンピュータでも計算しきれない。
囲碁だけは、AIでもトッププロには勝てないだろうと考えられていた。
アルファ碁ではしらみつぶしに調べることはしない。
人間が教え込むのではなく、自分で学ばせるのだという。
AI同士が対戦し合い、学習によってだんだん強くなる。
最初はAIはとんでもなく愚かな手を打っていて弱い。
そのAIが時間とともに少しずつ学んで、賢く、強くなる。
そして成し遂げたのが今回の勝利だ。
この方法だと、AIは将来もっと強くなる。
別の棋士が対戦して今のアルファ碁に勝つことはありうる。
けれど、AIがさらに学べば、いずれその棋士にも勝つ。
人間側が巻き返すことは、たぶんきわめて難しい。
AI囲碁の歴史上、ターニングポイントだと言って良いだろう。
ちなみに、私も最近は人間と打たず、コンピュータ囲碁ばかりしている。
「銀星囲碁」というソフト。
隙間時間でも打てて、途中で用事が入って中断しても文句を言われないから。
ネットで対戦では途中で止めるわけにはいかない。
大きな声では言えないが、「待った」もできるしね。
銀星囲碁は私と良い勝負なのだが、バージョンアップのたびに強くなる。
現在はバージョン16。正直、ここまで強くなるとは思わなかった。
相手が強くなりすぎて、待ったをしないとなかなか勝てない。
時には、待ったをしても勝てない。
そのうち、二子くらいハンディをつけてもらうことになりそうだ。
(2016. 3.18)
院長のつぶやき娘の選択
娘は慈恵医大をやめ、この4月から東大理科一類に進む。
医師にはならないという選択。
傷つき、苦しみ、悩んで、たどり着いた結論。
最終的にどういう人生を送るのか、親としては不安だが、
紆余曲折の末に娘が決めたこと、温かく見守ってやりたい。
少し回り道をしてしまったけれど、長い人生からみればたった3年。
回り道が人生経験として役に立つこともある。人間万事塞翁が馬。
娘は再び大学生活のスタートラインに立つ。
明るく、前向きな気持ちで、一歩を踏み出そうとしている。
頑張れよ!
彼女の未来にエールを送る。
(2016.3.17)