院長のつぶやき迷宮カフェ ~骨髄バンク普及映画
「迷宮カフェ」は骨髄バンクを広く世に知ってもらうために作られた映画。
白血病で次女をなくした黒岩由香さんが企画を立てた。
映画ができあがるまでには相当の紆余曲折があって大変だったと聞く。
川本眼科でも、趣旨に賛同して寄付をした。
(名目は寄付だったか、会費だったか、出資だったか忘れた)
エンドロールには川本眼科の名前が入っている!
名古屋で上映されるというので本日見に行った。
伏見ミリオン座といういわゆる名画座。
http://movie.walkerplus.com/th429/sc746203.html
地下鉄伏見駅6番出口を出てすぐの路地に入って徒歩1分。
上質なマイナー映画に上映の場を提供している。
逆に、こういう映画館で上映される映画はたいてい赤字だ。
今回は多くの医療機関や各種企業が協力したが、普通はこうはいかない。
残念ながら、日曜だというのに座席はガラガラだった。
1日2回だけの上映で、しかも上映が決まっているのは1週間だけ。
客の入りが悪ければ1週間で打ち切りになる模様。
なかなかの佳作なのにもったいない。
将来DVDになれば人の目に触れる機会が増えると思う。
費用がかかることなので、実現は微妙。
でも、DVDになれば、寄付はしなかった人でも買ってくれそうな気がする。
この1週間をのがすと、見るチャンスがないかも知れない。
心ある人はぜひご覧下さい。
(2015. 3.22)
院長のつぶやき全焦点ハイテク生活メガネって・・
今日の日経夕刊の1面に載った広告を見てずっこけた。
大學眼鏡研究所の全焦点ハイテク生活メガネなる商品。
「遠くから手元まで、手元から遠くまで、楽々見える」
「これは遠近両用とは違う」
「ハツラツ青春蘇るオドロキの感動を再び!」
「画期的システムを構築」
「中高年メガネ革命!」
「21世紀理想のメガネ」
そんなうまい話は聞いたことがない。
そんな素晴らしい発明なら、眼科医が真っ先に飛びつく。
これは怪しい。胡散臭い。
ちょっと調べてみた。
この店はどんなメガネを売っているのかわざと曖昧にしている。
だから、宣伝文句だけでは仕様は不明だ。
だが、この店でメガネを買った人がブログを書いたりしている。
それを読んでの結論。
この店で売っているのは、要するに累進焦点メガネだ。
累進焦点はいろいろな設計が可能で、少し工夫してみました、程度の話。
特別に大々的に宣伝する価値などない。
どの設計もそれぞれ一長一短で、全てを満足させる設計などありえない。
「遠近両用とは違う」というのは誤解を招く表現だ。
たぶん、遠近と中近の中間くらいを狙ったメガネだろう。
「遠用部を広めにとって常用できるようにした中近」だと予想する。
そういうコンセプトはよくあるもので、何のオリジナリティもない。
私もそういうメガネをかけている。
誇大広告と断じて差し支えないと思う。
広告にだまされない賢い消費者でありたい。
うまい話には裏がある。
(2015. 3.16)
院長のつぶやきカラーコンタクトはやっぱり危ない
眼科医はカラーコンタクトが嫌いだ。
普通のコンタクトに比べてトラブルの発生件数が段違いに多いから。
トラブルが多い理由は3つある。
1.着色しやすいという理由で酸素透過性の低い素材が使われていること。
瞳を大きく見せるために直径を大きくしてあるのでなおさら酸素を通しにくい。
2.色素が外に露出して角膜や結膜に悪影響を与えること。
サンドイッチ構造で内部に封じ込めてあれば安全だと言われていたが、
実はそういうコンタクトでも危険性はあるらしい。、
色素が偏って存在していることが多く、簡単に色素が露出してしまうというのだ。
3.ユーザーが危険性を認識していなくて間違ったケアをすること。
カラーコンタクト使用者の多くは正しいケアを指導されていない。
友達に教えてもらって自己流でケアをする。危ない!
大手メーカーのコンタクトでも完全に安全とは言えないらしい。
今のカラーコンタクトの流行はちょっと異常だ。
カラーコンタクトで角膜潰瘍になったのでは割に合わない。
普通の透明なコンタクトの使用をお勧めする。
(82015.03.10)
院長のつぶやき骨髄バンク普及映画
骨髄バンク普及映画が完成したらしい。
題名は「迷宮カフェ」
http://www.meikyu-cafe.com/
2年くらい前に制作費が足りないと協力を依頼された。
良いことだと思って賛助会費を払った。
それからずいぶんたつ。映画の製作には時間がかかるのだなあ。
一応全国ロードショーらしい。
ただ、上映する映画館は少ない。しかも小さな映画館ばかりだ。
予定する上映期間は2週間くらいのようだ。
こんなので骨髄バンクを普及する目的は達成できるのか、心配になる。
心ある方は見に行っていただきたい。
ちなみに、東京では3/7から角川シネマ新宿で、
名古屋では3/21から伏見ミリオン座で上映される。
(2015. 2.18)
院長のつぶやきインフルエンザ・ワクチンが効かないというデマ
インフルエンザ・ワクチンが効かないというデマが広がっている。
火元はビジネスジャーナルという雑誌の記事(1/23)。
既に相当の批判を浴びたらしく、今はネット上で削除されている。
記事には簡単に確認できる事実誤認が散見される。
WHOが「ワクチンで予防できない」と言っているというのは真っ赤な嘘。
ホームページには「重篤な転機を防ぐ最も有効な手段は予防接種である」とある。
さらにWHOは毎年予防接種を推奨する対象者を列挙している。
妊婦、5歳以下の子供、65歳以上の高齢者、慢性疾患患者、医療従事者・・
記事は昔主張されて批判を受けた内容の繰り返しで全く新味はない。
私は眼科医なので、利害関係が全くない立場にある。
インフルエンザ・ワクチンは自院の職員にしか接種しない。
患者さんに打つことはなく、それで儲けることもない。
4年前に、繰り返される論争に興味を持ち、自分で調べてみた。
結論は 川本眼科だより132「インフルエンザワクチンは効くの?」に述べた。
ワクチン否定論の旗手である母里啓子(もり ひろこ)氏の論理は破綻していた。
この人の名前が出てきただけで信用できないと考えて間違いないと断ずる。
私なりに結論を出して、その後も毎年職員全員に接種を受けさせている。
もちろん、私自身もワクチンを毎年受けている。
記事は「効かないワクチンと知りながら業界の利益のために売り続けている」とも主張。
こういう陰謀論みたいな話はよくあるが、ほとんどの場合裏付けなし。
闇の世界だから大っぴらにできない、みたいな話は信用しないほうがいい。
嘘をまことしやかに見せるための常套手段だから。
オウム真理教が主張した「米軍の毒ガス攻撃」と同レベルの信憑性だ。
利益というなら、ワクチンなんてやめて大流行が起きたほうが医者は儲かる。
いや、ひょっとするとワクチン無効論が繰り返されるのは本当にそういう陰謀かも?
(冗談ですよ。念のため)
ワクチンは特に高齢者には必要だと思う。
高齢者がインフルエンザにかかると死亡リスクが高い。
デマに惑わされず、毎年ワクチンを接種することをお勧めする。
(2015. 1.26)