川本眼科

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院長のつぶやき

院長のつぶやき学会もクールビズに

5月13日から15日まで東京国際フォーラムで日本眼科学会に参加してきた。

最高気温29℃と聞いていたので、これはもう夏と同じと思い、半袖のワイシャツにネクタイという服装で行った。

行ってみると、みんなスーツをしっかり着込んでいる。

館内の温度はスーツ姿に合わせてばっちり冷房が効かせてあり、半袖では寒い。

うーん、このご時世にどんなものでしょうね。

学会も節電に協力するのが当然だと思うが。

半袖で私は1人浮いていた。

(2011.5.16)

院長のつぶやき池田信夫氏の原発擁護は非科学的だ

池田信夫氏がブログでたびたび原発擁護論を述べている。

かなり影響力のある人なので世論が間違った方向に誘導される可能性が高い。

5月6日付けで「浜岡原発の『停止要請』は非科学的だ」なるブログを発表した。

ところが、批判が批判になっていない。先に原発擁護ありきなのでこんなことになるのか。

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菅首相の説明が非科学的だ、と断じているが、正面からの反論ではない。

まず、東海地震が切迫していることに対しては何も反論していない。

「東海地震に対応できるよう対策することが大切」だって反論のしようもないことだ。

巨大地震の震源地のど真ん中で原発を稼働させることが非常識なのは当然ではないか。

地震のときには何がおこるかわからない。揺れそのものが危険なのだ。

ところが池田氏は勝手に浜岡原発の危険性を津波だけに限定して論じている。

議論の前提を勝手に自分に都合良く設定するのは詐欺師の手口ですよ。

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池田氏は「東海地震で想定・・よりはるかに大きな今回の地震」と述べる。

意図的に震源での大きさと原発での揺れの大きさを混同して議論している。(震源での大きさはマグニチュードで表され、揺れの大きさはガルや震度で表される)

原発の揺れの大きさは震源との距離で決まる。(P波・S波は距離の2乗に、表面波は距離に反比例する)

福島第一原発は東北沖地震の震源の真上にあったわけではない。

一方、浜岡原発は東海地震予想震源域のど真ん中にあるのだ。

直下で巨大地震が起きればその揺れの大きさは想像を絶する。

M8でもM9より何百倍、何千倍も揺れるかも知れない。

福島では動いた制御棒が浜岡では動かなくなる心配があるのだ。

しかも今回の地震は津波被害は大きいが建物の被害は奇跡的に小さかった。

木造家屋でも多くは倒壊しなかったことを指摘しておきたい。

つまり東海地震で建物の揺れは今回をはるかに上回ると覚悟が必要だ。

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池田氏は福島原発では原子炉が停止したから浜岡でも停止するという。

それが非科学的な話だということは既に述べた通りだ。

池田氏が安全だとする根拠は国の安全審査を通っていることだそうだ。

安全審査を通った原発が事故を起こしたことへの反省が何もない。

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電源車があるから非常用ディーゼル発電機がすべて駄目になっても大丈夫というのも嘘。

浜岡に現在ある電源車では原子炉冷却に不十分。バックアップになっていない。

しかも、大地震のときは構内の電源車も壊れてしまう可能性が高い。

多重防護が安全性が高くなるという確率計算をするなら安全装置1つ1つが独立事象でなければならない。ところが大地震のときには独立事象ではありえず、全滅する可能性が高い。

津波対策だけに限定しても、ガスタービンの発電機が高台に設置されるのはまだ先で、今は危険なままで運転されている。どう考えてもこれを安全だと強弁するほうが非科学的。

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池田氏は福島第一原発の事故が「最悪条件」だと言う。

しかし、実は福島原発の事故がこのくらいで済んだのは僥倖によるものだ。

地震から電源喪失まである程度時間の余裕があった。(浜岡ではないかも)

圧力容器内で水素爆発を起こすことを避けられた。(浜岡では起こるかも)

圧力容器への注水経路が保全された。(浜岡では壊れるかも)

周囲の放射能汚染が防護服で活動できる程度で済んだ。(浜岡ではもっと高濃度の汚染が起こり、人間が近づいて作業することが不可能になるかも)

つまり、相当に運に恵まれた結果であって、「最悪」はこんなものではない。

圧力容器の水素爆発と臨界の継続ととんでもない量の放射性物質の放出が「最悪」だ。

これ以上の事故は起こらないと根拠無く断定することこそ非科学的だ。

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池田氏は元NHK報道局ディレクターで経済評論家で大学院教授だそうだ。

そんな人がこんな杜撰な議論しかできないというのが情けない。

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池田氏もそうだが原発擁護派は反対派を感情的と切り捨てる傾向がある。

非科学的とか、近視眼的とか、上から目線で非難をする。

そういう人はちゃんとした根拠をもって判断しているのだろうか。

冷静に、論理的に考えよう、という意見に賛成だ。

そして、私は論理的に考え抜いて、原発に反対することを決めた。

声を上げなければ、消極的に原発に協力したことになるから。

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ちなみに、私は菅首相の英断に敬意を表する。

原発推進派ばかりで抵抗勢力が多い中での決断。勇気がいることだ。

恐らくマスコミを動員しての猛烈な巻き返しが予想される。

頑張ってください。応援しています。

恐らく、東海地震が起こった時、今回の決断が正しかったと証明されるでしょう。

(2011.5.7)

院長のつぶやき原発の自己制御性という嘘

このホームページを読む方は患者さんが多いのだと思う。

そうすると、期待されているのは医療の話だろう。原発のことばかり書くのは気が差す。

けれど、こういう時期だし、私の中で今一番の関心事なのでご容赦を。

さて、電気事業連合会(電力会社の集まり)がホームページで原発の安全性をPRしている。

http://www.fepc.or.jp/present/safety/shikumi/jikoseigyosei/index.html

その中で、「原発は自己制御性があるから暴走することは考えられない」と言っている。

自己制御性は、ドップラー効果とボイド効果によるそうだ。

ドップラー効果とは、燃料の温度が上昇すると中性子がウラン238に吸収されやすくなる現象。

ボイド効果とは、減速/冷却剤の水が沸騰すると中性子が減速しなくなる現象。

いずれも原子炉の出力を下げる方向に働くから大丈夫という理屈だ。

自己制御性があるとは、地震だろうが津波だろうが事故が起きても放っておけば自然に停まってくれて収束するということだ。。

火力発電所でも、大工場でも壊れた後暴走はしない。そういう性質をフェイルセーフという。

事故や大震災のときは運転員が全員外に脱出して避難すればよい。英雄は要らない。

ところが、実は原発は違う。発熱が続き、核燃料が溶けてメルトダウンをおこす。

圧力容器の底に溶けた核燃料がたまって臨界となる危険がある。

圧力容器内で水素爆発をおこす危険もある。(福島原発では幸運にも回避できた)

人間が必至になってコントロールするしか制御できない代物なのだ。

放射能汚染で危険な状態になっても、誰かが運転に残らなければさらなる惨事を招く。

つまり、自己制御性など、真っ赤な嘘だ。

この期に及んで、まだこんなデタラメな神話をPRし続けるなんで信じられない。

嘘を書き続けてなんとか言いくるめようとしているのだろうか。

東電以外の電力会社が「自社の原発は大丈夫」と言うのも何も信憑性がない。

非常用電源が使えなくなればどの原発でもメルトダウンが起こる。何も変わっていない。

(2011.5.1)

院長のつぶやきツイッターやフェイスブック

私は1980年代に「パソコン通信」を始めた。

当時はみんな礼儀正しく、相互扶助の精神が生きていた。古き良き時代。

やがてメーリングリストの時代に移ったが、なんとか馴染んだ。

でも、あの2ちゃんねるを代表とする掲示板のたぐいはどうにも好きになれない。

荒らしや炎上など嫌なこともたくさん経験してきた。匿名の世界は醜い。

しばらく前からはパソコンより携帯の時代になってしまったようだ。

現在はツイッターが大流行だが、敬遠していた。

140字では刹那的な感想しか語れない。じっくり考えることができない。

それに、しょっちゅう、そればかりに追われている感じ。慌ただし過ぎる。

フェイスブックは実名なので、まだましかと思って入ってみた。

まだ何も使っていない。昔の知り合い数人に出会えたのが収穫か。

エジプト革命の立役者だそうだけど、私には向いていないかな。

やっぱり、ある程度の長さの文章を推敲しながら書くほうが性に合っている。

(2011.4.29)

院長のつぶやき花粉症の時期に混雑する訳

花粉症の時期になってから、川本眼科は混雑することが多くなった。

先週には2時間半待ちの日もあって患者さんからかなりお叱りを受けた。

花粉症が原因ではあるのだが、実は花粉症の診療だけで混むわけではない。

花粉症では薬の説明に時間がかかるが、それだけなら、かなりの患者数をこなせる。

実は、花粉症診療のついでに散瞳して眼底検査などを受ける人が多いのだ。

糖尿病とか強度近視とか緑内障疑いなどで6ヶ月に1回くらいの診察間隔の人がかなり多い。

みんな正確に6ヶ月目に受診されるわけではない。少しずれて都合のよいときにかかる。

何かのきっかけがないとかからないことも多い。無症状だと受診間隔が伸びるのは人情だ。

一方、花粉症はかゆくてたまらないからみんなあわてて受診する。

その時、6ヶ月おきでチェックする必要がある人は同時にそのための検査を受ける。

その結果、花粉症受診者のうち相当数の患者さんが眼底検査や視野検査も受ける。

この「ついでに精密検査」が混雑する最大の原因なのだ。

そういう人には説明時間もどうしても長くかかってしまうのだ。

かと言って「散瞳は別の日に」とお断りすることも難しい。仕事で多忙なら仕方ない。

みんなそれぞれに事情をかかえているわけで、できるだけ便宜を図るのは当然だ。

ただ、それがため、待ち時間があまりにも長くなるのは困ったものだ。

混雑しているからと言って説明を簡略にすることは難しい。満足してもらえない。

かくして、患者さんは待ち時間でへとへと、医者も診察でへとへと・・・

解決のための妙案はないかと思案しているが・・・誰か良いアイデアはありませんか?

(2011.4.19)

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